第335回 多店舗展開のやりすぎ、ソーホーズ ホスピタリティー グループ
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- 2004年6月14日(月)
あのソーホーズ ホスピタリティー グループが
民事再生法の適用を申請しました。負債総額は75億円。
年商が65億円くらいですから、負債額は一般的な範囲でしょうか。
これは昔の「和議」に相当するもので、
再建計画の如何によっては現経営陣が残れるシステムですが、
月川氏のカリスマ性はもう保てないでしょう。
私も本業で何回か取引先に破産や民事再生法の申請をされ、
損害を被った苦い経験がありますが、
その申請日はたいてい決済日の前の週末の金曜日。
資金繰りがどうしてもつかないことが判明し、
経営陣などがすぐさま追及されず隠れられるように、
週末前の金曜の夕方に隠密時に申請するのがこの手の常套手段です。
マスコミなどの追求も土日は緩いですからね。
不祥事の発表も週末が多いのはこの理由からと考えます。
ところが今回のソーホーズの申請は、
月末、多分決済日当日で、しかも週始めの月曜日と
ちょっと変わっています。
あくまで推測ですが、
週末を含めてギリギリまで
資金の手当てに奔走したのではないしょうか。
約30年前に設立し、「青龍門」チェーンや「ノブ 東京」など
一世を風靡した有名店をいくつも排出した、
多店舗展開外食産業の奔りの老舗だったのですが、
ここ数年の外食産業の過当競争による地合いの悪化の中で、
無謀に出店しつづけたことで、かなり追い込まれたようです。
金融専門家の知人によりますとと、
経営内容の悪化を銀行などに悟られないよう、
そしてキャッシュフローの確保のための窮余の一策が、
六本木ヒルズへの無謀な
7店にのぼる出店ではないかとのことです。
ヒルズでは、いくつか低価格の店は行列ができていましたが、
中華、トッド・イングリッシュとのダイニング、など
同じ地域に7店同時出店では、タコが自分の足を食べるがごとく、
身内で客の奪い合いをしてしまうことは想像できたはずです。
ヒルズへの来場者が
右肩上がりに増え続けることはありえないからです。
また、有名店との提携店、
たとえば、「厲家菜」も本店とは違って
かなり高額にしているようですが、
一日3組という営業戦略が、
豪華な内装を含めた多大な経費負担で、裏目にでたと考えます。
申請後も、何も知らない観光客で
特にショウロンポウの店は
相変わらず行列ができているようですが、
従業員のモラルの低下とともに、
支払条件の悪化から仕入れ食材にも影響を及ぼし、
よりCPの低下は避けられないでしょう。
ソーホーズの顧問に就任していた、
そして今年になっても「厲家菜」で食事会のホスト役をやっていた
山本益博氏は、このソーホーズの民事再生法申請に対して、
コメントを発するでしょうか。非常に興味のあるところです。
多店舗展開している店では、
ソーホーズ以外にも家賃滞納とか悪い噂が流れています。
確かに店舗を増やして売上げが倍増したら、
倍以上の利益の見返りがありますが、
店舗を増やして膨張を続ける会社がいずれは破綻するのは、
昔から歴史が示しています。
経営者は、身丈に合った運営をしなければならないと
私も深く考えさせられた出来事でした。