第296回 宅配ピザにとって大脅威ピッツァ サルヴァトーレ クオモ

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  • 2004年5月6日(木)
昨年だったでしょうか、
9月にナポリで開催された「ピッツァ フェスティヴァル」で
外国人初のチャンピオンに輝いた日本人のニュースを
テレビで見られた記憶のある方がいらっしゃると思います。
未だ20台半ば前か、イタリアに渡ってわずか数年の修業で、
そのフェスティヴァルの権威がどれほどのものかは知りませんが、
それでもチャンプに輝いたという事実。
その青年の天賦の才能を認めるかたわら、
ピッツァを極める技術の奥行きの浅さにも感心したものです。

その後、青年の動向を耳にしなかったのですが、
最新版の「東京カレンダー」という雑誌で、
彼の近況がわかりました。
なんと白金の地に、
本格的なナポリピッツァの宅配を始める店のアドヴァイザーとして、
凱旋帰国していたのです。
しかもイートインを兼ねたデリバリー店のオープンは4/23。
年中無休、メニューはマルゲリータをはじめ
今までの「宅配ピザ」の「もどきピザ」とはまったく違う
本場ものらしきもの。
ミーハーな私は早速、知人宅に押し寄せて宅配を頼みました。

モッツァレラは水牛100%とのこと、
「ピッツァ」と「ピザ」の違いは素材のテイストと
宅配メニューには明記されています。
つまり、「ラトリエ ドゥ ジョエル ロブション」の
姉妹店である「ピザーラ」や、「ドミノピザ」とは素材が違う、
「ピザ」ではなく「ピッツァ」だと言い切っているのです。
そして価格は、イートインより
宅配の配送代のためか価格を上げていますが、
2300円から最高のペスカトーレでも2800円。
「宅配ピザ」と数百円しか違いません。

その他、サラダ、生ハム、リゾット、カネロニに加えて
デザートも6種とかなり充実しています。

宅配時間は30分から1時間と、
店内や注文の混み具合で変わるようですが、
肝心のお味は、
多少冷めているところは「宅配ピザ」とかわりませんが、
マヨネーズなどを使った「モドキ」とはまったく違った
本場ものに近いものでした。

「クオモ」と「サルヴァトーレ」という単語を使用した店名から、
容易に「ワイズテーブル コーポレーション」という
多店舗展開している会社が親元と推測できるのですが、
そのHPを見て驚きました。
デリバリー専門店は20百万、
イートインを兼ねた店は40百万円の設備投資で、
今後この分野へ事業展開していくようなのです。
今期中に、8~10店舗をオープンする計画との事。

トラットリアやピッツェリアで
千数百円の「ピッツァ」を食べてしまった人たちは、
今までの「宅配もどきピザ」に対して、
その値付けと味に疑問を持ち始めていると推測します。
そのような環境の中、都心を中心に
本物に近い「宅配ピッツァ」がどんどんオープンしてきたら、
どうでしょうか。
本物志向の世の中です。
既存の「宅配ピザ」屋にとって
大変な脅威になると考えるのは友里だけではないはずです。
敢えて友里がこの宅配ピッツァに望むなら、
スープ系、たとえばミネストローネなどを
加えていただきたいと考えます。

「宅配ピザ」関係者は、ロブションを利用して、
悠長に「もどきフレンチ」店や「もどき サロン ドゥ テ」店を
展開している場合ではないと考えます。