第294回 再び、ダノイのシェア追加料金に関して
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- 2004年5月4日(火)
「ダノイ」のシェアへの500円追加料金を取り上げましたところ、
ある読者の方から次のようなご指摘を受けました。
店へ直接電話してその真意を聞かれたそうです。
一応個別にメールで私の考えをお伝えしたのですが、
考えるところもありコラムで再び取り上げることにしました。
ダノイ側は次のように回答されたそうです。
「通常のシェアは、取り皿をだして、もちろん無料です。
この追加料金のシステムは、接待などで、
同じ皿から直接取り分けることが失礼にあたるゲスト、
または、習慣のない(欧米人などの)ゲストに厨房で取り分け、
きれいに盛り付けるサービスで、料理は増量します。
単純に分けると、盛り付けできませんから、増量するので、
追加料金をいただくわけです。
普通のお客さんには、取り皿を、勧めています。」
店の回答をこのまま受け取ってしまえば、確かにその通り。
追加料金の請求も納得します。
でも私は最初からそのようなシステムとして考えていたのか
いささか疑問を感じるのです。
10年以上前のオープン時から時たま訪問している私は、
店内で接待系、もしくはシェアの習慣のない欧米人ゲストに
遭遇したことはありません。
私の限られた入店以外の日に訪れているのでしょうが、
この回答にいささか矛盾を感じます。
シェアというどちらかというと日本的な食べ方。
これは、家族や親しい友人同士、気楽な食事仲間とやるものです。
間違っても、シェアが失礼に値する接待客と同行する場合に、
考え付くものではありません。
その暴挙を犯すホスト客が何人もいるのを見かねて、
店側が看板に記してきたとはどうしても思えません。
色々な料理を接待客と食べてみたいなら、
自腹か経費かはわかりませんが、
その分料理を追加するのが普通ではないでしょうか。
そんなホスト客が何人もいる、
ダノイだけには入店すると思いますか?
又、シェアの習慣のない欧米人をゲストにむかえたホストは、
彼らが喜ばないというか、その存在そのものをしらない
「シェア」を店側に要求するとは思えません。
シェアは同席の人の合意のもの。
習慣のない客に対して、誰が言い出すのでしょうか。
つまり、もともとシェアを要求しないような客層に対しての
この追加システムを、
わざわざ店前の看板に掲示を出す必要があったのかどうか。
仮に素直に店の言い分を受け取ったとしても、
厨房で増量して取り分けてくるならば、
個別にホストに交渉して増量分を請求することは当然です。
量が増えているのですから。俗に言う「大盛」ですね。
これを「シェア」代として、わざわざ看板に書いたのでしょうか。
普通のお客さんには取り皿をすすめている、というのも
当たり前と言うか、普通、日本でシェアを要求する客は、
増量など考えません。
こちらをすすめるもなにもないと考えます。
私にはどうしてもこの店の回答は、引っ込みがつかなくなっての、
「後出し」にしか思えないのです。