第290回 再び、ワインを酸化させないセーバーについて その1

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  • 2004年4月30日(金)
私が「第250回」のコラムで、
ワインの酸化を防止する
新兵器を設備したワインバーを取り上げましたところ、
何人かの読者の方々から次のような同じご指摘を受けました。

要約すると、行ったことのない店をあれこれ言うのは
友里の掲げているポリシーに反するものでいかがなものか、
というものです。
ご指摘いただいた方には
真摯にメールでお返事させていただきましたが、
第250回で対象とさせていただいたワインバーが採用している
ワインサーバーを開発した会社のHPを見つけて
チェックしましたので、再び取り上げてみたいと思います。

確かに行ったことのない店の料理やサービス、
内装などの雰囲気をあれこれ言う資格はありません。
オープンしていない「ナリサワ」をフライングして
「いの一番のお勧め店」として
ページの割り振りをしていた犬養裕美子氏を
私は批判しているくらいですから。
言葉が足らなかったと反省していますが、
私はこのワインバーの料理やサービスをもって
「行く気はしない」と判断したのではなく、
その店のコンセプトを知り、
自分の考えとまったく違うということで、
そう述べてしまったのです。

グラスワインは抜栓してからの酸化が確かに問題です。
一日で売り切れない場合は、その酸化が確かに問題になります。
普通バイザグラスに使用するワインは
安いものを使っているはずです。
1杯が高くても1千円台でサービスできるもので、
そして3杯ほど売れれば元(仕入れ値)を回収できるものです。
したがって、そのワインのポテンシャルが低いのは当然です。
畑やシャトーが格付けされていないワイン、
ブドウの選別からはずれたセカンド・サードラインのワイン、
村名以下の地方ワインなどです。
ポテンシャルが低いという事は、
若くて早く飲めるという利点はありますが、
上滑りでちょっと抜栓から時間が経つと
ヘタってしまうものが多いのです。

よってかなり減ったボトルのワインは
グラスで頼んではいけないのが定説ですが、
しかし、酸化させなければ何でも良いというものでもないと
私は考えるのです。

(以下、明日へ続く)