第288回 ワイン向きではないけど、「サリュー」(2)

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  • 2004年4月28日(水)
前菜は、鰯や穴子、豚足、トリッパなど
ビストロ的な実をとった食材の料理が目立ちます。
バイ貝でしたが、エスカルゴ風グラタンなどもビストロの定番です。
ボリューム感をだす盛り付けで見た目は満足なのですが、
深みというか味はどちらかというと塩などがゆるいものです。
メインも白金豚の3種盛り(煮込み、コンフィ、ソーセージ)、
骨付き仔羊、オックステールの赤ワイン煮、
仔牛頬肉とトリッパのトマト煮込み、ホロホロ鳥、鴨胸肉など、
この時期特有なジビエは用意していませんが、
選択肢はあり悪くはありません。

2皿で食べきれないほどではなくそこそこ満腹感のでるボリューム。
店内の他の客と同様にCPの良さは感じるのですが、
イマイチ食後感が我々ワイン飲みには物足りません。
ターゲットとする客層が違うのでしょう、
ワイン飲みに合わせて塩を多くすると
今詰めかけている客層の方には耐えられず
離れて行くと推測します。

よってワインリストは簡単なものとなっていますが、
3800円から1万円までの
若くて高級ではないがおいしいCPの良い物を選んでいました。
値付けも安い。
小売の1.5倍くらいではないでしょうか。
料理の食材と同じくワインも、
名より実を取ったということでしょう。
ネットでは懸念されていた女性のスタッフのサービスも、
無難でストレスを感じるものではありません。

<結論>
5千円均一というが、サービス料を10%とるので、
実質は5500円。
「オー グード ジュール」との値差は
それほどあるとは思えません。
料理の傾向は異なるもの。
同じ気軽な低価格路線とはいえ、
こちらの味付けは入門者編と言えるでしょう。
お酒をほとんど飲まれない方には、充分満足できる店と考えます。