第265回 ある週刊誌への取材回答 その10ロブションがきっちり監修している

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  • 2004年4月5日(月)
・「ラトリエ ドゥ ジョエル ロブション」を
 紹介されている記述で、スタッフの衣装、内装について、
 「フランス人であるロブションが
 自分の店に採用するセンスとはとうてい考えられないものです。」
 とありますが、実際にはロブションさん自身が
 内装も店のコンセプトも、
 オープンの際にきっちりと監修している、とのことでした。


<回答>

「次郎」のカウンターなど
鮨屋の良いところを「フレンチ」に生かしたい、
とのコンセプトで開かれた、と色々な紹介で読みました。
料理を客の後ろからではなく、
面と向かって出すようにしたいとも聞きました。
でも、カウンターの幅は「次郎」と同じかもしれないが、
あんな黒いコックコートや内装色は鮨屋にはありません。
「次郎」を手本にした新しい形態のフレンチに、
日本でなぜか流行っている
ダイニング系のテイストを取り入れるなんて、
フランス人のセンスとは考えられない、と感じたわけです。
「次郎」とダイニングは私には一致しないのです。

あくまで、私の推測で、あのような内装・衣装は
ロブション氏が本当に目指していたものなのか、と
疑問を示したまでです。
ロブション氏が日本のダイニング系がお好きというのなら、
それは個人の問題です。
「フォーシーズ」という実際の経営会社が、
先に考案した服装、内装を、
ロブション氏が後に了解したならばそれまでです。
監修というのはそういう意味と考えます。
昔、有名プロの監修したゴルフ場というのがありましたが、
ほとんどが名前貸しです。
設計、建設が終わり、最後にちょっと自家用ヘリで来場して、
気づいた点をいくつか口頭で述べる。
有名人の監修とはだいたいそんなものだと思います。