第238回 料理評論家、フード・レストランジャーナリストの習性・実態その25実名予約で訪問しないと何か不都合でもあるのか
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- 2004年3月9日(火)
「実名取材で出てくる『特別料理』を食べ、
それを評価しても読者にとってはまるで意味がない」
に対して、自称料理評論家、
フード・レストランジャーナリストたちはノーコメントを貫くか、
もしくは「特別料理」「特別待遇」は
受けていないと弁解しています。
なぜ自称料理評論家がコメントを発しないのか、
発することが出来ないのか、理由はわかりません。
でも、かなり本質を突いた問題提起なので、
実名取材を取っている方には、まともに論戦してしまっては、
その権威の根幹を揺るがす方向に発展してしまうのを
恐れられているからとも推定できます。
そして、自称フード・レストランジャーナリストたちの多くは
このような「特別もの」の提供はないと主張しています。
そして、彼らは場数を踏んでいるので
「店の良いところを引き出す能力がある」とも言っています。
そこで私は言いたい。
「そんな能力があるのなら、わざわざ『実名』や『肩書き』を
オープンにして店で食事をしなくてもいいのではないか。
身分と売れた名前を出さずになぜ匿名で入店しないのか」
取材といっても料理店評論ですから、
入店して料理を食べればよいだけです。
受けたサービスを含めて論評すれば良いだけの筈。
よく考えれば、実際料理店の評価に
料理評論家やフード・レストランジャーナリストの肩書きは
必要ないのです。でなければミシュランは出版できません。
会員制でない限り、誰でも予約が取れて、
読者と同じ料理とサービスが受けられるのですから。
これは小学生でもわかる理屈のはずです。
ではなぜ、友里に痛いところを突付かれながらも
彼らは実名取材を続けなければならないのか、
私にはまったく理解できません。
「実名取材」でなければ
彼らの取材に何か不都合があるとしか考えられないのです。
1.予約が簡単に出来る。
2.シェフが必ず厨房にいて、
料理や経営方針の上辺の説明を受けられるので、
取材記事を書くのが楽。
といった他、やはり思いつくのは
3.チヤホヤされる特別待遇の中、特別料理が食べられる。
が主な理由としか考えられないのです。
取材費用の捻出の為「領収書」が必要なら、
実名を名乗らず料理を食べた後、
チェックの際に、出版会社か自分の個人会社名を言って
貰えばいいのです。
最後に肩書きがばれても、食べた後ですから
真の評価には影響しないでしょう。
こんなわかり切った理屈を何回も書いている
自分を思うと空しくなるのですが、
彼ら自称料理評論家、フード・レストランジャーナリストたちは
勿論、一般読者の方々も
この小学生でもわかる理由を看過してしまっているところに、
現在の料理店評価から
胡散臭ささが取り除かれない主因があると考えます。
実際詳しく書くと覆面取材に支障がでるので避けますが、
私は正体がばれてしまったと考えられる店へリピートした際、
今までとまったく違う待遇の中、
有名シェフ自ら造っていると伝えられ、
高級食材をふんだんに使った料理を食する機会に遭遇しました。
自称料理評論家、フード・レストランジャーナリストたちが
常日頃慣れ親しんでいる「特別待遇」、「特別料理」は
やはり実在しているのです。
帰宅後気がつきましたが、
ワインなどの価格も便宜が施されていたのは事実です。
常連客にもありえるサービスではありますが、
このような待遇を
そのまま一見客を対象とした料理店評価本に論評するのは
まったく無意味と考えます。
暴露事件で揉めているようですが、
世界でもっとも注目されているミシュランの評価人が
店側にばれるかどうかは別にして、
覆面で入店している事実をどう考えているのか。
実名取材は、いろいろな意味で
彼らの取材が楽になるのは事実のようですが、
『読者にとって何のメリットがあるものなのか』、
彼らはそろそろ真摯に回答する時期に来ていると考えます。
そうでなければ、友里征耶はいつまでたっても引退できません。