第217回 友里征耶の疑問 その2なぜビールを置かない店があるのか
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- 2004年2月17日(火)
汗をかいた後や風呂から出てからの一杯だけではなく、
冬でも夜は飲んでいます。
そしてこのビールですが、
居酒屋料理でスターターとして「とりあえずビール」
という時だけの物ではないのです。
日本ソムリエ協会も認めていたと思いますが、
ビールも立派な「食前酒」の一つなのです。
つまり、シャンパーニュやスプマンテ、カヴァ、
ドライシェリーなどと同じ位置づけなのですが、
店の中にはこの日本で簡単に仕入れることの出来るビールを
置いていない店があるのです。
「アピシウス」や「トゥール ダルジャン」など
グランメゾン系に見られる傾向ですが、
イタリアンでは青山の「エトルスキー」の1階などでも
そのような方針をとっておりました。
ビールは小売でも300円超ですね。
店で出す場合は、それを安くて600円、
でも最高でも800円くらいに設定するでしょうか。
一般の商取引で考えれば、
粗利が倍などという仕事は考えられませんが、
レストラン業界中には、この粗利では不満と考え、
ビールを取り扱わないようです。
確かにグラスシャンパーニュなどは、安い設定でも1200円、
高い店では2000円近くにしています。
しかし、ノンヴィンの場合、仕入れ値から推測すると
1杯当たりは3~400円。
3~5倍で売れるのです。
しかも量はわずか100CC足らず。
絶対額で800円以下、粗利は2倍前後、
しかし量が小瓶にしても300CCでお腹が膨れる。
店としてはアルコールをビールだけで済まされる、
もしくはビールを飲むことにより他のワインを飲まなくなる、
という事を避けたい為に、ビールを置いていないと私は考えます。
売上も上がらず、利益率も他の飲料より低く設定せざるを得ない、
しかし量だけはある。
店に置きたくなくなる気持ちもわかりますが、
もう少し視野を広げて考えてもらいたいものです。
フレンチやイタリアンで堂々とビールを頼むような客は、
場慣れした酒飲みが多いはず。
ビールだけで終わるのではなく、
その後、白、赤ワインと
飲み続ける人の方が多いのではないでしょうか。
ビールを置いたからといって、
飲料の売上が落ちるわけではないと私は考えます。