第211回 料理評論家、フード・レストランジャーナリストの習性・実態その21評価側が楽しんでしまっていいのか
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- 2004年2月11日(水)
友里を想定していると思うのですが、
「食事の際は客として楽しむもの。店側の粗を探すのではなく、
よいところを引き出し楽しむべきだ」と言っています。
確かにレストランでの食事は
同伴者、店の雰囲気、料理、価格と
トータルバランスによりますが、
楽しいひと時を過ごしたいと思うのは私も同じです。
春頃出版予定の続編で、
私の普段の食事やレストランへの取材方法を
正体がばれない範囲で著す企画を考えていますので、
それに詳細は譲りますが、
私は一人で入店することはほとんどなく、
仲間と食事をしております。
たとえ、過大評価で料理がイマイチと感じても、
サービスが悪いとい感じても、よほどの事がない限り、
その場で不機嫌になることはありません。
同伴者との会話をより楽しめばいい訳です。
そして、家に帰って自分なりに冷静になって振り返り、
気づいた点などメモを残すのです。
私はあくまで一般客として入店していると宣言しているから
このスタンスですが、フード・レストランジャーナリストは
「プロ」と自称しています。
例えていえば、サッカーなり野球の審判員。
憧れのスターを目の前にして、
プレーを冷静にみないで客と同じように楽しんでしまって、
果たして「フェア」な判定を下せるのでしょうか。
「東京最高のレストラン」では、
料理、サービス、内装、CPといった項目の点数付け以外に、
ボーナス点というものが5点の枠であります。
30点満点ですからかなりの割合ですが、
これは彼ら自称「食べてのプロ」たちの
「思い入れ度」とのこと。
私はCPを点数化することで
各自の考えを既に反映できると思いますから、
この項目は余計と考えます。
料理人との楽しみ具合で、
思い入れ度を1~5点と振り分けているようですが、
これは野球で言えば球審が、
好きな選手がバッターボックスに立ったときは、
すでにワンボールからスタートさせる、
好きな投手だったら、
ツーストライクでバッターアウトにすると
言っているようなものです。
皆さん、各評論家の評価項目を良く見てみてください。
各自の料理の採点幅は6点から9点。
わずか3点の幅に集中していますが、
この思い入れ度は0点から5点と
より広い範囲でつけられています。
料理より思い入れ度で順位が大きく変わる評価システムですが、
これでフェアな評価、順位付けができるというのでしょうか。