第210回 料理店の盛衰は営業方針次第? その4ル ショコラ ドゥ アッシュへの入店方法
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- 2004年2月10日(火)
平日の昼といえども入店を待つ客で行列が出来ています。
六本木ヒルズへ出店した店の中で、
数少ない勝ち組の一つでしょう。
私はこの成功に、
客の入店を規制したシステムが貢献していると考えます。
世界一パティシエの称号も需要でしょう。
いくら高くてもある程度おいしいチョコ(ショコラ)、
ケーキでなければならないのは当然です。
でも一般客がどうしても入ってみたい、買ってみたいと思わせる
一番のキーワードは「行列」だと思うのです。
昔バイトを雇ってまでサクラを並べて
行列が出来ているように見せて、人気を出した店がありました。
「他の人が行列してまで入店しているのだからおいしいだろう、
価値があるだろう、人気があるなら行ってみたい」、
と日本人によくある心理を利用する戦術ですが、
この店も必然的に行列が出来るシステムをとっているのです。
入店する客の人数制限です。
この店で商品を購入する場合、関門は2つあります。
まず、正面の自動ドアをくぐり
カウンターのあるホール内に入っても、
直ぐにはショコラ売り場へ入れません。
たとえ売り場に客がいなくとも、
自動ドアが完全に締まりきるまで
次のドアを開けられないのです。
店のスタッフの説明では、
ショコラやマカロンの湿度管理との事。
温度と湿度を一定に保つために
直接外気が吹き込むことを避けているのでしょう。
そして、売り場内の客の人数も制限します。
スタッフの対応はてきぱきしていませんから、
オーダーして商品を持って
店をでるまでもかなり時間を要します。
かくして、売り場は混雑し、ホール内も数組の客がスタンバイ、
そしてホールに入りきれない多勢の客が寒風吹く中、
または熱暑の中でも外で待たなければならないのです。
結果、六本木ヒルズに世界一のパティシエの
長蛇の列の店があるとマスコミに紹介され、
更に観光客が観光客を呼ぶ相乗効果になるのです。
でも私は何回か見てしまいました。
湿度を保つために二重扉で入店制限をしているはずですが、
雨の日に客は皆、
濡れた傘をそのまま売り場に持ち込んでいるのです。
外気を気にする以前に、傘に残る雨の雫や客の衣服の水分で、
湿度はかなり上がると思うのは私だけでしょうか。