第208回 けやき坂通り 有名店の張り紙に関して
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- 2004年2月8日(日)
いくつかの高額料理店では、
店前に変な張り紙を出しているのをご存知ですか。
「竹やぶ」では、
「予約客の場合、並んでいる客より先に入店することがある」
といったような文言がでています。
わざわざ書く事なのでしょうか。
「次郎」でも、
「当店はお任せだけの営業で、夜は2万円」
といった趣旨の張り紙があります。
「みかわ」の店前では、立ち止まったカップルが、
「なんか有名な天麩羅屋なのかなー」
と交わした会話を私は聞きました。
つまり、このマスコミでは有名な3店を、
街場の普通の「蕎麦屋」、「鮨屋」、「天麩羅屋」と勘違いして
飛び込んでくる客が多いということなのでしょう。
街場の蕎麦屋では予約客は珍しいでしょうし、
鮨屋では「お決まり」が主体な店があります。
開店当初には、
このような張り紙がなかったと記憶していますから、
何か問題があり、このような張り紙が張られたと推測します。
「みかわ」も本店の茅場町とは違って、
店前(店内のメニューではありません)に、
コース料金だけではなく、それらの詳細な内容、
たとえば海老はいくつ、兜はいくつ、など
食材やご飯ものの数量が明記されています。
我々一般客にとっては大変有難いことですが、
本店でしていないのに何故するのか。
これら有名店をあまりご存じない客が、
かなりこの観光スポットである六本木ヒルズに流れ込んでいて、
本店で当たり前だとしているシステムに馴染まず、
客と店で行き違いがあったのではと推測するのです。
「みかわ」、「次郎」、「竹やぶ」の本店では、
このような張り紙は見かけません。
家賃の非常に高い、
再開発地の高額料理店エリアへ勇んで出店してきたこれらの店が、
一見客の意識とのギャップに戸惑い、
防御策として勘案したのがこの張り紙のようです。
六本木ヒルズなどこの手の再開発観光スポットでの訪問客は、
観光客が主体のようです。
当初は本店の客が、ご祝儀や珍しさの為に訪れるでしょう。
でも、わざわざ、何も観光客で混雑しておる地域の、
本店より高いかもしれない、
腕の落ちる2番手の店へ行き続けるとは思えません。
本店が遠方な店、例えば丸ビルの「招福楼」でしたら、
東京の新しい客を開拓できるかもしれません。
でも、関東地区、同じ東京都内で
そう距離が離れていない場合はそれが望めないと考えます。
意気揚々と出店してきても、
新たな客層の開拓に成功しなければ、
当初の思惑通りにはならないでしょう。