第144回 料理店のBGMについて

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  • 2003年11月3日(月)
食事中に店内のBGMが気になることがありますか。
席に案内された時は耳についた音楽も、
食事やお酒が進みだし、同伴者との会話が弾むころには
まったく感じなくなっているのではないでしょうか。
もし最後まで音楽が気になるようでしたら、
その夜の食事会は楽しめなかったと考えます。
食事やサービスに不満がたまり
集中できなかったのかもしれませんし、
同伴者との素敵な会話が形成されなかったのかもしれません。
店を後にするとき、BGMの存在が記憶にあるかどうかが、
店や同伴者への満足度を測る
バロメーターの一つになっていると私は考えます。

料理店のジャンルによって音楽も違ってくるようです。
和食、たとえば「吉兆 西洋銀座」は雅楽のようなもの。
やはり入店直後は音量が気になりますが、
いつの間にか気にならなくなります。
小林シェフの小さなイタリアンである
「フォリオリーナ・・・」では、
オペラのようなものを流していました。
客席の少ない小さなホールで、
普請が高いとは思えない内装では、
かえって浮いてしまいそうです。
料理もイマイチで耳障りが続きました。
寂しさを感じて、ミスチョイスでしょう。

銀座のカウンターフレンチの「トゥ ソル」では、
同じ雑居ビルから伝わってくる
カラオケ攻撃に対応したのでしょうか、
フュージョン系のかなり大きな音量が特徴です。
高額設定の割になぜか人気のイタリアン、「ピアット スズキ」も
ジャズが流れていました。
料理と国柄がマッチしておりませんが、関係ないようです。

いつも思うのですが、
素人の私にはちょっと難解かとも思われる「ジャズ」。
なかなか一般人には
マニアックでとっつきにくいと考えるのですが、
先日知人から日本のジャズの歴史がわかる本をもらいました。

「ドクター Jazz 内田修物語」 高木信哉著
発行 東京キララ社  発売 三一書房 

日本を代表するミュージシャンを支え、
世に出した内田修氏の生涯は、
日本のジャズの歴史そのものともいえ、
大まかに知識をつけるのは最適だと考えます。
私にもちょっとは歴史がわかってきたようです。