第145回 まったくお勧めできない、「フィッシュ バンク」

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  • 2003年11月7日(金)
最近は、ダイニング系の和食屋とともに、
オイスターバーを含めた
魚料理をメインにした料理店の出店が目立ってきました。
西麻布交差点付近でも、オイスターバーが2軒、
それにこの魚専門店である「フィッシュ バンク」と
ダイニング系の店が目立っているようです。
特にこの「フィッシュ バンク」はマスコミへの露出も多く、
ある週刊誌ではかなりの高評価でした。
また、入り口付近にある魚が入った円筒のガラスのショーケース、
ガイド本での写真紹介ではかなりインパクトを与えるものでした。

六本木通りに面したオイスターバーとはまったく別の店で、
入り口は裏側にあります。
表のメニューを見ていたら、
スタッフが飛び出てきて勧誘をするくらいですから、
集客には苦労しているのかもしれません。

ウリのショーケースを実際に見てびっくり。
思ったより小さく、
鮮度がよくないと思われる魚が氷と一緒に詰まっているだけのも。
あの豪華そうな写真を撮ったカメラマンの腕に感服です。
実際、客は数組しか入っていません。
1階はテーブル席だけのホールと厨房、
2階はラブチェアを4つ配した8人掛けの
相席用の大テーブルもありましたが、
この手の店でお約束のカウンターというものがありません。
厨房スタッフは二人、ホールも2フロアで2人くらいでしょうか、
客が少ない事もありますが、まったく活気がありません。

料理はダイニングとしては高いでしょう。
牡蠣は専門ではなく2種のみ。
前菜は千円台でしたが、
蟹やロブスターが3~5千円、魚が3千円前後と
種類も思ったより少なく選択肢がありません。
パスタや肉も用意されていましたが、
コンセプトからも頼むべきものではないでしょう。
柚子風味のカルパッチョ、シーザーサラダ、銀鱈西京焼きなど、
疑問な料理がメニューに並ぶ中で、
無難なものを皆で頼みましたが結果は無残。
オイスターは専門店ではないのでしょうが、
大きさ、味わいともイマイチの割にひとつが500円。
真鯛のポワレは、火が入りすぎています。
鮮度をカバーしているのでしょうか。
そして、ここはコペルトのようなものをとるのです。
おいしくないパンがしっかり200円別会計となっておりました。
ワインは、フランス、カリフォルニアと種類は多くなく、
値付けは小売の倍程度。
二人で適度なワインを飲んで、
前菜と魚料理を食べただけで2万円を軽く超えてしまいます。
ダイニング系としては
料理の選択肢のなさ、スタッフの少なさ、そしてこの価格、
行ってはいけない料理店の一つでしょう。