第128回 この店もあの店も同じ会社のプロデュース
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- 2003年9月23日(火)
「店構え」と「店の規模」です。
オーナーシェフとの触れ込みの店で、新たに出した分店が、
本店とは違った規模、コンセプトで驚いた経験はありませんか。
家族で経営(長女が料理長)の一日数組の客しかとらない
北京の「厲家菜」は、売上げ規模が想像できます。
こじんまりした店の利益だけを原資や担保にして、
保証金や地代が高く、外装・内装にも相当な投資が必要な
「六本木ヒルズ」へ乗り込む余裕があったのでしょうか。
テナント側への条件が厳しいこの「六本木ヒルズ」へは、
「厲家菜」より売上げ規模が大きい、
有名な料亭系の和食店も出店を諦めた経緯を私は知っています。
相当な投資額に対して、
回収できないかもしれないといったリスクを考えたのでしょう。
北京の家族経営の料理店オーナーが、
都内の有名?フレンチに勤めていた人間を
支配人として雇っているのも不自然です。
どこからそのような人脈、発想が生まれてくるのでしょうか。
影に仕掛け人、真のスポンサーの存在を感じるのです。
そんなことを考えていた折、ふと手にした雑誌
「東京 ちょっとおしゃれなレストランガイド」(成美堂出版)
を読んで、思わず納得しました。
「あのレストランは誰が手掛けているのか、知っていますか?」
という特集頁で、
最近の有名店の設計、経営、プロデュースを
請け負っている会社を調査していました。
「グローバルダイニング」は「権八」や「ラ ボエム」、
「モンスーン カフェ」などの
チェーン店を経営しているのは有名です。
「ソーホーズ ホスピタリティ グループ」という会社も
名前を聞いた事はありましたが、
そのプロデュースしている店を見てびっくりしたのです。
「厲家菜」をはじめ「香港茶樓」、「南翔饅頭店」など
六本木ヒルズの中華料理店は皆この会社が関係しているのです。
この場合のプロデュースという言葉は曖昧です。
オーナーとして全額出資しているのか、一部出資しているのか、
そこははっきりしません。
でも、資金面でなんらかの関与があると
想像するに難くない状況証拠が、
店の規模、コンセプト、スタッフの人選から読み取れます。
しかも、この会社がプロデュースした店は
まだまだ他にもあるのです。中華に限りません。
有名料理人の店かと思っていた「ノブ 東京」や、
「ロイズ 青山」、「青龍門」も
そのラインナップに加わっていたのは、誠に意外でありました。