第992回 ワインの諸々1047種のセパージュのシャンパーニュを飲みました

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  • 2006年5月28日(日)
先日のコラムで取り上げた例のシャンパーニュ「オブリ社」、
読者の方からの情報で購入することができました。
この2年近く続いた「ワインの諸々」も今日が最後です。
長い間有難うございました。
最後を飾る題材かわかりませんが、
購入したシャンパーニュ2種の感想をアップします。
まずは「シャンパンハウスの実力を見るのは、ノンヴィンを飲め」
と言われていますので、これからチャレンジ。

―ノンヴィン
これは従来品種である、
ピノ ノワール、シャルドネ、ピノ ムニエ
の3種だけで造られているそうです。
グラスに注いでまず思ったのは、古酒かロゼみたいではないかと。
色がかなり濃いのです。
しかし飲んでみると
酸味は多少感じますが味に深みはなく余韻もありません。
グラスに放置していると直ぐにヘタッてしまいました。
泡もすぐ抜けました。
ノンヴィンとしてはいたって普通かそれ以下か。
大手のメーカーのノンヴィンの方が
まだよいモノにあたると考えます。
後ろの説明書を読んで納得。
ピノ ムニエが60%でシャルドネとノワールが20%づつとのこと。
色が濃いのはムニエの影響でしょうか。
昨年、ムニエ100%の
あるドメーヌシャンパーニュのものを飲んだことがあるのですが、
熟成感が年数よりでているように見えました。
他のメーカーと違ったタイプにしたいから、
ムニエを主体にしたのでしょうか。

―‘98 カンパナエ・ウエテレス・ウィテス
日を変えて開けたのですが、
7種のセパージュが入っていると言われなければ、
まったくわかりません。
ただのそこらの普通のヴィンテージシャンパーニュです。
当初このメーカーのシャンパーニュは、
7種、8種のセパージュをウリにしたとはいえ、
濃縮感のある特徴あるシャンパーニュを造っていたそうですが、
今ではまったくその面影が見られないとのコメントも
読者の方からいただきました。

要は、復活させたセパージュではなく造り手の意欲の問題なのか。
わけのわからないセパージュをブレンドしているといっても、
そのセパージュの特徴、単独の味わいを知らないわけですから
さっぱりわかりません。
手を抜いたと思われる98年のこのシャンパーニュ、
少なくともセパージュの特徴を
まったく感じるレベルの物ではありませんでした。
メーカーも7種だ、8種だ、幻のセパージュだと煽るなら、
まずは、それらのモノセパージュの
シャンパーニュなりスティルを出すべきでしょう。
そうでなければ、比較のしようがありません。

日本だけではなく、
フランスでも「能書き第一主義」の人はいるということです。
また、能書きに弱いのは我々日本人だけではなく、
フランス人にも多いといういうことでしょうか。