第925回 スカレッタよ、お前もか
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- 2006年3月18日(土)
まともなものがあるはずがない、と私は述べてきました。
ビールなど酒メーカーやサニタリーメーカーと組んだ店を
色々見てきましたが、
このタイアップにでる店はどのような位置づけなのか。
話題性があり人気が出そうな店ならば、
雑誌の編集やライターが放置することなく、
すぐに紹介記事を載せるはず。
わざわざビールやトイレの宣伝に一役買わなくても、
東京カレンダーや東京情緒食堂で
1ページの記事で宣伝してくれるのです。
ビールやトイレなどの銘柄に拘束されることもないはず。
よって、メーカーがタイアップ先として食指を伸ばす店は、
取り上げる価値もないと
雑誌から見捨てられたような店になるのではないでしょうか。
今をときめく人気店が、わざわざ酒メーカーなどと一緒に
雑誌にでるメリットがないからです。
「東京カレンダー 2月号」では、
シングルモルトとのタイアップ広告が載っておりました。
バーならわかりますが、モルトと食事がそう合うとは思えないと
パラパラとページをめくっていたら、
あの青山の「スカレッタ」が出てきたので驚きました。
拙著ではかなりの評価をしたイタリアン。
こんなタイアップ広告に出るほど落ちぶれてしまったのでしょうか。
そういえば、最近雑誌で見かけたことがありません。
何を勘違いしてしまったのか、スカレッタ。
コストと料理内容、
そして量のバランスがとれたイタリアンだと思っていたのですが、
タイアップ広告の先入観からか、
写真の料理はどれもおいしそうには見えません。
ただ雑誌に出ればいいというものではないでしょう。
読者も目が肥えてきていますから、
それが紹介記事なのか、タイアップ広告なのかの判別はつきます。
焦りからか、安易に跳びついてしまったのでしょうが、
イメージダウンになってしまうリスクを
考慮できなかったということでしょう
店経営者や料理人に私は言いたい。
タイアップ広告に出ている店を冷静に見てみてください。
その中で、自分で本当に行ってみたい店がありますか。
タイアップ広告にのるかどうか、焦らずに冷静に判断してください。