第904回 厲家菜の記事には笑った

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  • 2006年2月25日(土)
「大人の週末」の発売日である15日がくるのが待ち遠しい友里。
ネタとしてはマスヒロさんの手帳に注目しますが、
中身はワンパターンで「純粋な読者」に自分を尊敬させることを
意図した自慢話とハッタリだけですから、
実際得るものはありません。
しかし、「何でも探検隊」のような突入記事は、
企画が当たると大変面白いもので、
この雑誌で唯一の楽しみであります。

そして2月号での六本木ヒルズ特集のなか、
あの「厲家菜」への突入記事には笑ってしまいました。
勿論突入したライターにではなく、「厲家菜」の対応にです。
以前のコラムで、
不入りと経営会社であるソーホーズが民事再生法を申請したからか、
入店のハードルがかなり下がったと書きました。
当初は、2万5千円以上のコースで
6名以上集めなければ入れてもらえなかった強気の営業姿勢。
ところが2万円以下のコースを設定し、
人数にも拘らない方針に転換しました。
そこでライターは早速2名で予約の電話をいれたそうですが、
8人掛けのテーブルしかなく今の時点では受付けられないとのこと。
希望日の3日前に再度連絡して、
4名以上の予約が入っていなければ
受付けるとのことだったそうです。
要は、店として出来るだけ大人数の予約が欲しい。
早めに少人数の予約を受けてから大型の予約が入ったら損する。
3日前に予約がなければどうせ客は来なくてお茶引いてしまうから、
それなら2名でも入ってくれた方がましだとの
浅はかな考えなのでしょう。
果たして、ライターは3日前に連絡して、
素直に2名で入店できたそうで、
しかもその日は彼女ら客は2名だけだったそうです。
そしてこの経緯を誌面で詳細にバラされてしまった訳です。
なんとも間抜けな店対応。

なんだ、やっぱり客が入っていないんだと、
あらためて周知させてしまった店側の戦略ミスです。
目先の人数に拘っているから駄目なのです。もっと先を見なければ。
どうせ客が少ないのですから、
一発当てて店を満席にすることを考えるより、
少ない人数でも個室3部屋を埋めて、
少しでも客が来て、口コミで評判を広め、
新たな客層を開拓した方がはるかに得というものです。
「青龍門」など廉価な店の経営が主流のソーホーズでは、
このような高額店経営のノウハウがないのでしょうか。
飲食店業界には、よくいう「損して得取れ」といった言葉がないと
よく感じるのですが、
現金商売が基本ですから仕方がないことなのでしょうか。

山本益博氏も鳴り物入りでオープン前、
TV番組で大々的にこの店の宣伝に一役買っておりました。
自身の食事会でもこの店を選んだはず。
本人は承知していなかったということですが、
暫くソーホーズのHPでは、
顧問として彼の名が記されておりました。
少なからず因縁のある会社のお店。
得意とは思えない彼の飲食店プロデュースですが、
せめてこの店の建て直しに力を貸してあげてはいかがでしょうか。

まずは、食事が始まる前、
客にあり難さを洗脳するつまらない薀蓄話を撤廃すること、
2名からでも簡単に予約をとること、
食材の質を上げて価格を下げること、
など目先は利益が圧縮されると思うかもしれませんが、
このことから始める事をお勧めします。
そして、
「損して得取れ」という文言のある辞書の購入をお勧めします。