第890回 今年のリニューアル、移転の注目店

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  • 2006年2月11日(土)
「東京カレンダー」や「東京情緒食堂」を読んで、
今年の移転、リニューアルの店の情報を知りました。
ガニエール、ギオットーネ、マンダリンホテルのように
昨年オープンの店のほか、
今年に入ってからオープンする店が3店ほど紹介されています。

一つは私も何回か取り上げた「ル マンジュ トゥー」。
J.C.オカザワ氏の願いが天に通じず、
同じ場所に建て直したところに再入居するようですが、
営業は夜だけになるようです。
夜の安いコースを減らし、ついには夜だけの営業と
かなり最近流行の営業方針に切り替えてきました。
しかし、脚立に腰掛け図面をもってポーズをとっている谷シェフ。
こんな絵を雑誌に提供することが
フレンチシェフに必要なんでしょうか。

そして麻布十番の「かどわき」です。
1月11日に既にオープンしているようですが、
情報をお持ちの方がいらっしゃるでしょうか。
内外装に凝り、個室も3室で檜のカウンターと
かなりゴージャスのようです。
椅子には白カバーがかけられるそうですが、
その部分だけ「京料理」を真似るのではなく、
ただの創作料理から創造性ある本格料理への脱皮を
願うばかりであります。
「真っ当かつ洒落た店にしたい」
との主人の意気込みが述べられていますが、
売れない芸能人だけではなく、
一般客も大切にし続けてもらいたいものです。

そして最後は「喰切り 江ぐち」。
スッポンのグランメゾンを目指し、
あの「大市」に匹敵するランクのスッポンを仕入れる為、
「服部養鼈場」へ出向き交渉したと書かれてありました。 
ここで私は一抹の不安を覚えたのです。
今週の火曜、水曜に「大市」のことを述べましたが、
この店のスッポンはまったくの期待はずれ。
和食業界でもよく、仕入の養殖屋が回転率を上げたため、
クオリティがかなり落ちたと言われているのを何回も耳にしました。
現在の「大市」レベルのスッポンでは、
がっかりする方がかなりいらっしゃると思うのですが、
それを「大市」を超えた技術を習得して克服するのでしょうか。
それとも、「大市」、「服部養鼈場」という
昔のブランド名による先入観でクリアできると思っているのか、
春のオープンが楽しみであります。