第859回 奇を衒っただけのただの揚げ物、キムカツ 2

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  • 2005年12月28日(水)
そしてキムカツの種類は、
セントラルキッチンで造られたと思われる袋に入っていた
プレーンの他、バイトらしき女性がトッピングを錬りこんでいた
黒胡椒、にんにく、チーズ、葱、
梅・しそ実山椒(月限定もの)などが1480円。
これだけでも結構高目ですが、
ご飯セット(450円)を加えると1930円と
かなりの「高額トンカツ」になります。
いくらご飯がお櫃で出され、キャベツも食べ放題とはいえ、
仕込みがセントラルキッチン式であり、
職人ではない普通の人が衣をつけ揚げるという
このシステムでは高すぎです。

友里はまずはプレーンに挑戦しました。
確かに薄切りのミルフィーユ状ですから異常に柔らかいですが、
それを「純粋な読者や客」は
「柔らかーくて美味しい」と勘違いしているようです。
トンカツから
「歯ごたえ・食感」を奪ってしまっていいものなのかどうか。
ジューシーだとの世間の評価もありますが、本当でしょうか。
肝心の肉の旨みが皆無で肉質も良さを感じません。
本来の肉の旨みがにじみ出ないで
「ジューシー」だ、なんだと言っても、それは本末転倒。
よって肉に味がないのでトッピングが必要になるのです。
胡椒やニンニク、梅、紫蘇など
香りや刺激の強い調味料などを用意しているのは
その証左と考えます。
肉の味がするようなある程度の質の豚肉ならば、
その味を殺すようなこんな調味料を併用するはずがありません。
肉質の良いトンカツは、
揚げたものそのまま、もしくは塩や辛子だけで食べても、
本当においしいものです。
そのような、質に拘ったトンカツを、
わざわざ山椒や紫蘇、ニンニク、胡椒を
大量に錬りこんで揚げるようなことをするでしょうか。
肉がもったいないと誰もが考えるはずです。

よく考えれば、このご飯セット込みの2千円弱、
その拘りのトンカツをだす都内の実力店と
たいした価格差はないのです。
行列に並び、素のままや塩では肉の味を感じない
柔らかいだけの「トンカツ」を、
高額トンカツ屋に匹敵する価格で食べている一般客が多いのが
私には不思議であります。

<結論>
これを豚料理、トンカツ料理と思ってはいけません。
豚本来の旨みを感じない創作「揚げ物」です。
価格も高すぎで、私はまったくお勧めできません。