第821回 ワインの諸々 81ハーフボトルの充実が売上増になるか
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- 2005年11月20日(日)
頼むワインの本数に迷ったことはありませんか。
食前酒としてビールかグラスシャンパーニュを飲んだ後、
白・赤をどうするか。
かなり飲める私や仲間でも、
白と赤をブティーユで1本づつ飲むのは体力が要ります。
ましてその後の食後酒は厳しい。
どうしても白ワインも飲みたいから無理に頼むのですが、
これはグラスワインがまだまだプアであり割高だという現状での
仕方ない選択であります。
3人ですと白・赤2本なら余裕でしょうし、
4人以上でも本数の選択肢はいくらでもあります。
問題は2名の時です。
ワインをほとんど飲まれない料理評論家やフードライターは
このようなつまらない悩みがなくて羨ましい限りであります。
大阪の「ポンテ ベッキオ」、
京都の「イル ギオットーネ」では、
ブティーユでも半値で抜栓して
半分だけ飲ませてくれるシステムがあり便利ではありますが、
もともとの値付けが仕入れの2倍以上に設定していますから、
店に実害はありません。
その後、グラスで売れれば儲けものと考えているようで、
客側としてはやや高めのワインを飲むことになります。
しかし、最近、
ハーフボトルをかなり充実させている店を発見しました。
「ナリサワ」も何本か置いてありますが、
白金商店街近くの「ラシェット ブランシュ」。
白・赤ともに8種ほどリストに明記されておりました。
料理のコメントは後に譲りますが、
価格も手頃で女性だけのグループにも頼みやすいでしょう。
ハーフボトルは熟成が早い、保管が難しいという理由で、
古酒やグランヴァンでは、ワイン通は避ける傾向にあります。
しかし、最近のレストランでは、
ブティーユでも2000年前後と
ここ10年以内のものしか見当たりません。
最近のインポーターの輸送・保存状態も向上し、
このような比較的若いワインならハーフでも充分満足する、
かえって熟成しておいしく感じるのではないでしょうか。
今まで頼まなかった客がハーフボトルを頼むことにより、
店側も酒類の売り上げが伸びるでしょう。
下手に何種類もグラスワインを用意して売れ残り、
何日も経った、ヘタったワインを飲まされるより
客側も満足することになると考えます。