第813回 トイレメーカーまでタイアップ公告に!

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  • 2005年11月12日(土)
タイアップ広告もここまで来たということでしょうか。
ビールなどの酒類メーカー、調味料メーカー、食材メーカーが
料理店とタイアップして、
誌面を買い受けて両社を宣伝するスタイルは、
最近とみに目立つようになりました。
しかし最新の「東京情緒食堂」では、
あの大手メーカーの「INAX」が
8ページものスペースを買い取って、
2店舗を大々的に紹介をしております。
勿論、内装や料理の写真もありますが、
各店のレストルームの写真も載せているなど、
今までのタイアップ広告とはかなり異なる編集であります。
ミシュランの星を増やしたいなら、
レストルームは男女別にしなければならないとも聞きましたが、
ある意味、料理店のこのスペースは
確かに評価には重要な意味を持つかもしれません。
私の仲間には、
必ずこのスペースをチェックするという人がいるくらいですから。

しかし、選んだ店の知名度、注目度を考えると
効果があるとは思えません。
「ハルノ カレッタシオドメ」はアジアンテイストといいながらも、
今は賞味期限のきれた「ダイニング」ではないでしょうか。
料理人の顔が見えないこの手の店は、もう限界だと考えます。
もう一つ、「シズオ トウキョウ」。
井上静男氏なる料理人の存在は、
私の勉強不足からかまったく知りませんでしたが、
高輪、横浜プリンスの元総料理長、その縁からでしょうが、
迎賓館の総料理長だったという経歴を、
有難がる客が多いのかどうか。
プリンスのホテルで
おいしい料理を出すレストランがあったかどうか、
プリンスと聞いただけでイメージは悪化すると思うのですが、
いかにも昔の日本式古典フランス風料理ではないかと、
心配してしまいます。

取り上げて宣伝してもらう料理店、
広告料を貰って出版経費を削減できる出版社、
そして店や料理人のブランドを利用して販売を伸ばしたい、
イメージアップしたい広告主と、
3社の思惑が一致した結果のこのシステムではありますが、
肝心の料理店に注目度がなければ読み飛ばされてしまうこの企画、
「鮨 いのうゑ」の時と同じく、まずは店選びが重要だと考えます。