第811回 J.C.オカザワ氏の新書を他山の石として 3マスヒロさんへの遠慮など例外を作ってはいけない

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  • 2005年11月10日(木)
出版数が多い割に知名度がないのでしょうか、
J.C.オカザワさん。
この原稿を書いている前日まで、
アマゾンのランクは数万位台だったと記憶していますが、
10月29日にコラムで取り上げたからといっては私の奢りでしょうが、
この日は瞬間500位台と
私の記憶では初めて3桁になっておりました。
勿論アマゾンでは売り切れ表示。
残念ながら翌日は1万位台に戻っていましたが・・・
私の周りの人にもこの本の感想を聞こうと話題を振るのですが、
デビューして2年以上で本も4冊、
大人の週末でも毎月連載しているのに、
知っている人がほとんど居ません。
友里と同じく、知名度はまったくないようです。

今回のお題は、そのオカザワ氏とマスヒロさんとの関係の推測です。
月刊の「大人の週末」と週刊現代は同じ講談社の出版物であります。
その両誌に連載しているのが山本益博氏でして、
発行部数が多いと推測される両誌への連載権は、
マスヒロ氏の大きな影響力の根源と言えるでしょう。
当然、「大人の週末」での他のコラム担当者は、
門上武司氏、横川潤氏、マッキー牧元氏と
マスヒロさんに親しい人、一派に属する人ですから、
オカザワ氏も彼に取り込まれていると想像するに難くありません。
その理由が、この彼の新刊に垣間見られるのです。

「行ってはいけない有名店」には、
築地の場内の店から分かれた寿司屋、
多店舗展開の巨牛荘などB級と思われる店を多く取り上げ、
ほんとの有名店が少なすぎると思うのですが、
それはマスヒロさんへの遠慮からなのではないか。
有名店といえば、マスヒロさんなど影響力のある人が、
料理の味に関係なく煽って宣伝して世間に認められた店が多いもの。
「次郎」、「みかわ」、「キャンドル」、
「ラトリエ ロブション」、「レトワール」、「ゲンテン」、
「さわ田」、「しみづ」
などマスヒロさんのお勧め店は突っ込みどころが満載のはずですが、
どれ一軒たりともオカザワ氏の新刊では、
有名店として登場しておりません。
どの店も、「行ってはいけない」ではなく
「行っていい店」だと開きなおられればそれまでですが、
それを言っては食通の方々から相手にされなくなるはずです。
問題点を多々抱えた店であるのは周知の事実のはず。

本当の有名店を遡上に挙げておらず、
実は無名に近い、もしくはB級に近い店を
「有名店」として扱っているのですから、
新刊の注目度は上がらないわけです。
批判、批評は権威に対して行うところに
面白み、見ごたえ、読み応えがあるわけでして、
たいして有名でない、権威のない店を一刀両断しても
面白いはずがありません。

唯一、「平兵衛」という
上野のトンカツ屋をボロクソに書いています。
この店は、同じくマスヒロさんが昔、
店データを詳しく言わずTVで絶賛して煽った店でして、
代替わりして息子の代になっても取り上げていた店です。
しかし、ボロクソに書いていますが、
絶賛していたマスヒロさんに対する責任追及はまったくありません。
五反田の「グリルエフ」では、
領収書を貰う客が多いとそのような客を否定的に書いていますが、
彼の恩師か恩人のマスヒロ氏は
外食費をすべて経費に落としていると明言している
日本最高の「領収書もらい客」であるはずです。
そのことに言及せず、
マスヒロさんの出席したパーティーに出たとか
人脈自慢だけしているのですから、
マスヒロさんにベッタリなんでしょうね。

批判や批評をする者は、スタンスを変えず、
その対象に例外をつくってはいけないと考えます。
公平なスタンス、ぶれない評価基準で述べなければ
読者はついてこないはずです。
マスヒロさんへの遠慮がモロに透けて見える
オカザワ氏の新刊を他山の石とし、
批評や批判対象に例外を作ってはいけないと
あらためて考えさせられました。