第803回 この料理で納得できるか、ガニエールフェア 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 2005年11月2日(水)
料理は前菜から主菜までが7皿、
その後デセールも7皿続くという多皿コース。
そして私は、そのコースの初っ端から驚きました。
前菜と称するものは、
チョコで造った小さなケースに
赤ピーマンのグリルを入れ山葵を使ったソースをかけたものです。
見た目はデザートで、食べても甘さが口に残り食欲が減退します。
勿論、食前酒に合うとは思えません。
食前になぜチョコなのか、
しかも、山葵の使用は何を意味するのか。

そして、ドイツ料理であるザワークラフトのようなものに載っている
ホタテや手長海老には黒米のソースがかかっており、
フォアグラのロワイヤルはコーヒー風味と、
まともなフレンチに思えません。
真鯛にかけたブールブランソースはバターと柑橘類の余韻が強すぎ、
鴨肉にはパイナップルのチャツネとスパイスで
これまた甘くてしつこ過ぎ。
いつかはおいしい料理が出てくるだろうと思っていたのですが、
7皿全部駄目。
量の割に胃にもたれすぎて辟易し、ワインもすすみませんでした。
連れもワインは飲めるほうでしたから、
よほどワインと相性がわるい料理だったと言えるでしょう。
当然デセールも、7皿とも食べきれませんでした。

食材に若干の変更はあったものの、
パリ店と同じ料理を出したようですが、
各国の料理法や調味料を滅多やたらに使用しただけの、
奇を衒った「無国籍創作ダイニング料理」と断定します。

<結論>
3つ星を維持するために、
ミシュランの審査員の目をごまかすには、
奇を衒った創作ダイニング料理しか手がないのだろうか。
そのうち、3つ星レストランでは、
フナスシやラーメンまで出すのではないでしょうか。
このような料理を修正せず、原宿にそのまま上陸させて、
東京のまともな客が喜ぶとは思えません。
マスヒロさん、犬養さん、小山薫堂さんなど
味のわからない放送作家や業界人、
そしてブランドと能書きに弱い来栖王様は
お褒めの言葉を発するかもしれませんが、
私は早晩、
舞浜の「スプーン」の二の舞になる可能性があると考えます。