第767回 店名だけではなく魂まで置いてきたのか、ゲンテン 1
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- 2005年9月27日(火)
山本益博氏がここ数年、雑誌や週刊誌などで絶賛していた
秋田は角館の「一行樹」という創作和食屋。
秋田の食材を使い、エルブジを模倣した和食で、
全国的に食通が訪れていたと雑誌では紹介されていました。
昨年12月はじめ、私は銀座に移転してくると知り、
その店名「Ryo-ri Genten」というネーミングと共に唖然。
ゲンテンというブランドを持つバッグメーカーに身を任せ、
角館の店は閉めて銀座へ上京、
店名は秋田食材を使った和食屋とは到底想像つかない
スポンサー名を冠したダイニング系になってしまったのです。
本業のバッグの販促にもなるとの出資側の判断でしょう。
ダイニング調の内装、厨房は若いスタッフ、
ホールにマダムは不在で
和食には慣れていない歳とったスタッフが二人、
と角館の店とはまったく雰囲気が異なってしまったようです。
厨房に詰めているようですが、
高橋料理人は
角館に店名と料理人魂を置いてきてしまったと考えます。
持て囃していたマスヒロ氏、おそらく銀座進出を持ちかけて、
ゲンテン社長に紹介したのでしょう。
ホールスタッフは、
「山本益博さんがプロデュースした」と自慢していました。
しかし、自らプロデュースした店を、
週刊現代1/8・15号の自分のコラム
「イチ押しの50皿」で取り上るのは、
評論ではなく立派な「宣伝行為」ではないでしょうか。
高橋氏だけではなく、マスヒロ氏も「料理評論家としての矜持」を
いつの間にか置き忘れてしまったようです。
昼は3千円のコースでデザートを入れて5皿。
夜の6300円は酒蒸しなど2皿が増えるだけ。
1万500円のコースは、牛に代えて真鴨になり、5皿が増えます。
でもこれは手抜きというもの。
つまり、昼夜続けて行くと、確実に4皿はダブってしまうからです。
(現在、昼・夜とも価格が値上がっているようです)
<明日につづく>