第754回 価格通りの食後感で特徴がない、かんだ 2

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  • 2005年9月14日(水)
最初に出た牡蠣の餅粉揚げはザラザラ感だけで旨みを感じません。
そして要である出汁のレベルにも不満。
茶碗蒸しもそうでしたが、
お椀のタネは良かったが出汁が余韻もなくもの足りないのです。

鯛を期待した造りでしたが、出てきたのはヒラメの昆布〆。
厚めでそれなりにはおいしかった。
次に握り鮨として穴子がでてきましたが、
この構成は関西系によくあるものです。
質はそこら街場の鮨屋より上でした。
鰆がもう旬なのか、
火が入りすぎで塩も足りず旨みを感じませんでしたが、
突合せの海老芋やアンポ柿の揚げ物のポーションが大きく、
〆の鱧玉子とじ丼は甘めで菓子まで入れて全8皿と、
そんなに皿数は多くはありませんがお腹は充分一杯となります。
大食漢の客が多いのでしょうか、
ご飯物の前に肉を追加するか聞かれました。
牛と鴨があるようですが、
これまた和食では一般的な食材で食指を動かされません。

ワインはノンヴィンシャンパーニュが8千円と
兄弟弟子の「龍吟」ほどではありませんが安め。
写真入のリストは種類が少ないですが、
和食屋でワインを頼む初心者の客にはわかりやすいでしょう。
結構皿出しが遅くて料理の間隔があいて2時間余り。
安いワインを頼んで一人1万5千円を超えました。

<結論>
前評判の割には、食後感が「あさみ」、「そっ琢」など
銀座のお勧めできない和食とそんなに変わらない普通のお店。
食材の質、出汁と傑出したものを感じませんでしたが、
予約が結構取りやすいのと量があるのが救いです。