第740回 グルメ評論だけでは飽き足りないのか 3
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- 2005年8月31日(水)
ちょっと極端な例えを申し上げます。
日本は議院内閣制の悪い面がかなりでているようで、
いわゆる三権分立が確立されていません。
司法の人事権も実質政府側にあるようですから
阿吽の呼吸でコントロールが可能でしょうし、
国会も総理大臣の解散権を武器に
裁決を無理に誘導しているくらいですから。
本当に「民営化」がすべていいと言うならば、
裁判所や外務省など役所も民営化してしまえばいいのです。
明治からの旧態然たるシーラカンス的法律文と
前例絶対の判例主義に遅々として進まない裁判。
現代の世にマッチしていません。
99%有罪にできると思わなければ起訴しないと聞きました検察、
判決文を書くのが面倒で自身の人事考課も上がるからか、
事あるごとにやたらと「和解」を勧めてくる民事裁判官。
これらを民営化すれば
かなり画期的に「司法」は改善されるのではないでしょうか。
弱腰外務省も民営化して、
ハードネゴシエーターの民間人だけにする。
国会も民営化すれば、
1億超全国民の中で数千人ほどしか反対しない
(つまり国会議員関係者だけ)
お手盛りの「議員年金制度」も簡単に廃止され、
何より多すぎる議員数を半減できます。
検察も警察もみーんな民営化してしまえば、
情報公開がすすみ不正処理や無駄は減り、効率的になるはずですが、
それが出来ないところが、既得権益の守りであり、
また建前上、全国民を対象にした公共性の仕事だからなのです。
たいたい総理大臣も、小泉さんに変えて、
カルロス・ゴーンさんをもってきた方が
うまく日本を運営できるのではないでしょうか。
要は、もっとやるべき改革は沢山あるわけでして、
それを隠して国民の目を眩まそうとしているのが
「郵政民営化」だと思います。
私も最終的には郵政の民営化は必須だと思いますが、
「改革の本丸」ほどの大きな物ではない。
小泉さんが本当に「変人」ならば、
給与所得者への増税や消費税のアップを容認する前に、
タブーなのでしょうが
贅沢三昧の「宗教法人」への課税に命をかけたらどうでしょうか。
郵政が民営化したら税金を払うからいいという話ですが、
現実問題として税金を払っていない法人が贅沢三昧でも
見てみぬフリ。
しかしこの課税という英断は、彼らの既得権益から絶対出来ない、
いや、しないでしょう。
本当は「変人」でもなんでもなく、外観と発言が風変わりなだけの、
ただの「既得権益者」が
狡猾に形を変えて装っているとしか私は思えません。
国民にこれさえ民営化すれば
「改革」が終わるといった考えに誘導している
現政府のマインドコントロールに疑問です。
だいたい「さとなお」さんだって
自分の給料が世間一般よりかなり高いから下げてもいい
と言わないように、既得権益者である国会議員や高級官僚、
そして政府が本当にその既得権益を捨てるでしょうか。
私は料理人や経営者の性格が
料理店には大きな影響をもたらすと主張してきました。
政治も会社経営もやはり執行者本人の性格が一番でしょう。
血を分けた第三男に対する冷たい仕打ちを見ると、
本当に国民のためを考えた政治が出来る人なのかどうか、
はからずも親元から去らざるを得なかった身内をも切り捨てる人が、
高級官僚や国会議員、その他選ばれたごく一部の上流階級層以外の
多くの「一般国民」に目を向けているとは到底思えないのです。
マスコミや広告代理店は許認可制ではないにしても、
政府公報などを含めて
「お上」の仕事にタッチすることもあるでしょう。
特に「電通」は、天下りをかなり入れていることからも、
時の権力者には歯向かえない会社と思われます。
いわゆる現政府とは利害関があるわけで、
「さとなお」さんはじめ、この手の方たちの発言は、
ある程度割り引いて読む必要があると私は考えます。
しかし、この数週間の総選挙騒動には閉口、
あの猪口女史、ホリエモンも、
時の権力者からの誘いにはやはりまんざらでもないというか、
嬉しいのでしょうか。
猪口女史は、
「どんな条件であっても小泉構造改革を支えていきたい」
と発言されたそうですが、
上辺だけの「小泉構造改革」を
本心から「真の改革」と思っているほど「純粋」
いや「単純」な方だったのか。
そんな単純な人でも、一流大学の教授や
「駐ジュネーブ軍縮会議代表部大使」になれるほど
その地位は低いものだとは思いたくはありません。
人間、メジャーになればなるほど角が丸くなる(辛口で評価せず
料理人を育てたいとの詭弁を弄してヨイショする)、
体制側に接近する、
時の権力者に擦り寄る(料理業界の重鎮シェフに擦り寄る)、
というのはグルメ業界だけではなく、
実業やなんと教育の世界でも見られることだということが
今回あらためてわかりました。
明日からは通常コラムに戻ります。