第720回 業界人、芸能人、スポーツ選手は食通が多いのか

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  • 2005年7月30日(土)
708回のコラムでは、グルメというか食べ歩きの趣味は
割と誰でも簡単に入れる、入りたがる趣味だということを
述べました。
食は人間の3大欲の一つでもあります。
毎日避けて通る事が出来ない慣習でもあるわけで、
多くの人が大なり小なり感心を持っているのではないでしょうか。
TVや雑誌などマスコミでは、
この食通とファッションなどにおいて、
業界人や芸能人、スポーツ選手たちが
トレンドリーダーのような役割を担っているように
紹介されている記事を良く見ます。
既にコラムで述べましたが、
食のほうでは放送作家の小山薫堂さんや秋元康さん、
芸能人なら川島女史や琢巳さんでしょうか。
文化人では田中康夫氏や林真理子女史があたるでしょう。
スポーツ選手では現役ではありませんが
江川さんがすぐ思い当たります。
ファッションでは数年前、
なんと中田選手が全面にでてきたのには驚きました。
おいおい、蕎麦や鮨と同じで、修行歴(経験)が少なくても
その気になれば直ぐに出店(通と名乗る)できるほど
食とファッションは奥が浅いものなのかと思ったのです。

山本益博氏は、巷溢れるフード・レストランジャーナリストたちと
自分との差別化を狙ったのか、
近著では自分の食経歴を都合のいい部分だけですが開示し、
そこらの人とはものが違うと誇示しておりました。
要は、シェフの修行歴云々を取り上げる
昨日今日食べ始めたライターたちに一発かまして、
食の道は奥が深いものだといいたかったのでしょう。
地方の学校出るまでは、
ジャージとサッカーユニフォームと制服しか
縁がなかったと思われる人が、
マネキンのごとく最先端の服を着さえすれば、
今日からファッションリーダーになれるものなのか
との問題提起と同じと言えます。

かくいう私もたいした経験があるわけではないので、
偉そうなことは言えないかもしれません。
この副業にデビューしてはや2年、
私の食の輪はかなり広がりました。
色々な方との出会いがあり、
そのお仲間の末席に加えさせていただいて感じたのですが、
世は上には上がいるもんだなと。
毎日外食しているマスヒロさんも目じゃないくらい外食している人
(しかもB級はない)、
「来栖王様」や「麻生ほんまもん」より小さい時から
彼ら以上に食べ込んでいる同じ世代の若い人などなど。
お店の情報量もはるかに多く、毎回教えられている私ですが、
業界人や芸能人、スポーツ選手の比ではないと
いつも感心しております。

要は言った者勝ちなんでしょう。
「私の血はワインだ」、「一食入魂だ」、
などとマスコミで目立つ人が自己顕示欲よろしく言い切れば、
今日から第一人者としてデビューできるほど、
食とファッションは安易なものだとも言えるのです。
一度デビューしてしまうと
マスコミに出て情報を発信し続けて
その地位を維持していけるようで、
それは内心それほど自分の歴や舌に自信を持っていないからの
虚勢の裏返しではないかとも考えます。
また皆さんからは、
「それは友里お前のことだ」と突っ込まれるかもしれませんけど。
(笑)