第699回 サンクス 期間限定弁当を食べてしまった
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- 2005年7月9日(土)
何気なく目に入ったノボリに
好奇心の塊である友里は引っかかりました。
期間限定で、料理の鉄人番組で御馴染みの、
神田川氏と陳健一氏のプロデュースによる弁当が
大きく宣伝されていたのです。
しかも、期間限定で明日が最後とか。
有名なシェフ
(昔ならまだしも今のイノにどれだけ知名度があるか)や
料理人の名をつけたレトルトなどがあるのは知っていました。
オチアイもAMPMでパスタやリゾットを出していたようですが、
麻婆豆腐や生姜焼き弁当というのに興味がでて、
その日、私だけの夕食は決定したのです。
購入したのは、
1.豚生姜焼重650円、2.15品目の元気サラダ330円
(以上神田川氏)、
3.陳麻婆豆腐380円(陳健一氏)。
結果がわかっていてお金を出して食べるというのは
つらいものがあるのですが、
やはり有名料理人の名を使っただけで
おいしいものではありませんでした。
生姜焼き重は、神田川本店の
「昆布醤油」で炊き込んだご飯(ごぼう、コンニャク入り)に
特性生姜タレに柚子胡椒をお好みで。
元は賄い料理なのか知りませんが、
全体に甘すぎるのはアミノ酸のせいなのかどうか、
肉は厚めとはいえ、同じ弁当でも私は昔食べた記憶がある、
ホカ弁系統のほうが良いように感じました。
サラダも15種とはいえ大根が多すぎ。
しかも牛蒡もふくめて何の変哲もありません。
これなら、デパ地下で買うサラダのほうが
はるかにおいしいでしょう。
コンビニで取り扱っている普段のサラダと大して変わりません。
陳麻婆豆腐ですが、チョイ辛ですが、まったく街場クラス。
四川飯店は彼の父である陳健民氏で有名ですが、
こと麻婆豆腐に関しては、独立した弟子たちの店のほうが、
本家よりはるかにおいしいとの評判があります。
こんな弁当をプロデュースする暇があるなら、
まず、赤坂の本店の麻婆豆腐を立て直すべきと私は考えます。
ひっかかって購入する客が悪いのでしょうが、
名前を貸すことによってロイヤリティが料理人には入るはずです。
しかし、自分の店の「看板」がかかっているはずです。
大量生産のコンビニ弁当では、
自分の店の料理は再現できない、店の名が落ちる、
とは考えないところに、彼らの志の低さがわかります。
ロオジエやアピシウス、コートドールなどでは、
店の名を出しておそらく弁当やレトルトを出すような暴挙は
今後もしてこないと思います。
矜持を持っている料理人、経営者が
今の時代少なくなってきているのでしょう。