第688回 あの店は今・・・みかわ けやき坂通り店 1
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- 2005年6月28日(火)
「天麩羅 なかがわ」。
「みかわ」に17年勤め上げて昨夏に独立したとのことで、
多くの雑誌が肩入れして宣伝していました。
しかし、それほど凄い職人だったというのでしょうか。
30代半ば頃で
人生の半分を「みかわ」に尽くしてきたことは認めますが、
天麩羅の腕がそのまま天麩羅人生に比例するものではありません。
まして師匠は早乙女氏。
何を間違えたか「天才」との称号がついているようですが
悪い冗談です。
自分の舌は肥えていると勘違いした有名作家、
生徒寄せパンダと化した調理学校長などが、
早乙女氏をいつのまにか「天才」に祭り上げてしまったようですが、
彼らはこの店以外の天麩羅を食べた事があるのか。
あの立地、雑然とした茅場町本店ではなく、
普通の店構えで早乙女氏の天麩羅を食べて、
果たして同じように「天才」と感じる事が出来るのかどうか。
私は「次郎」以上に過大評価された店だと思うのですが、
その店の出身である中川氏。
果たしてランチ時はかなりの混雑で何回転もしていましたが、
詳細は後のコラムに譲るとしても、
定食ではない高価格のコースを頼んでも、
そのクオリティはかなり低いものでした。
しかし私はこの中川氏の店ではなく、今まで中川氏が揚げていた
「みかわ けやき坂通り店」がより気になったのです。
誰が天麩羅を揚げているのか。
「次郎」では定休日の水曜に
親子3人で仲良く食べているのを見かけた早乙女氏の息子に
直ぐに勤まるはずがありません。
息子さんは本店で3番手くらいの位置づけでしょうか、
皿などを主に洗っているそうですから。
誰が揚げ手を勤めているのか私は興味が沸き、
しかも集客に苦労しているのかランチになんと半額近い
2100円コースを出してきたという話を聞いて、
昼、夜あらためて再訪してみたのです。
ずばり揚げ手は
本店の茅場町で早乙女氏のサポートをしていた若い衆。
けやき坂通り店で中川氏が揚げていた時期は、
八丁堀店で挙げて経験を積んでいたかもしれません。
私は本店で彼が
仕込みや手伝いをするところを見たことはありましたが、
客前で揚げている姿にはお目にかかった事がありません。
誰が言い出したか、日本一職人とか神業と持て囃されていますが、
天麩羅はそんなに経験がなくても勤まるほど
実際は奥の浅い料理のようです。
2100円ランチは、レタスで巻いて食べる穴子丼と天茶のセット。
造り置いた穴子丼は細切れの穴子がタレでまぶしてありましたが
うまくない。
天茶もオーダーして直ぐ掻揚げを揚げたものの、
穴子丼を食べ終わってからでてきたせいか、
貝柱の質も悪く硬くておいしくありません。
2100円と今までの半値ではありますが、
安いだけの何の特徴もない定食でした。
物足りず単品追加で頼んだ天麩羅の巻き海老に旨みを感じず、
穴子も生臭かったのはいつもの通りでした。
<明日に続く>