第675回 あの店は今・・・ オストラル 2
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- 2005年6月15日(水)
安い白ワイン(といっても8千円くらい)を頼んだからか、
ちゃちな小さなグラスで対応されましたが、
リーデルもあるようです。
三井不動産からの指導なのか、このビルの他の飲食店と同じく、
オストラルも今までなかったコース制を導入しています。
13800円と18900円(現在は15750円と18900円)と
かなり高い値付けに驚きです。
4階のトンカツ屋などにも見られる傾向ですが、
なぜ今まで導入していないコースを設定して、
無理に1万円以上の値付けにするのでしょうか。
観光客を狙うという、三井不動産の浅い知恵なのかわかりませんが、
コースに頼る客は初心者に多いもの。
メニューを見るのが面倒でわからない、
しかし予算は潤沢な客にはいいかもしれませんが、
シビアな客や食通に受入れられるとは思えません。
アラカルトも用意されているのですが、
非常に頼みにくいリストにわざと改悪して、
コースに誘導するような意図を感じます。
前菜やメインで分けるのではなく、
野菜、山鶉、子羊、魚、牛、フォアグラ、オマールなど
食材毎(10種ほど)に括ってしまって、
前菜とメインをごちゃ混ぜに表記し、料理は全部で15種ほど。
同じ食材のところに前菜やメインが並んでいますから、
どれが前菜でどれがメインだか良くわからず、
料理の選択肢も少ない。
根気良くリストを見て、
スタッフに問い合わせしなければ理解できず、
よって同伴や接待、経費落しの客、
そしてメインのターゲットとしているのか観光客は
コースに追い込まれることになります。
アラカルトは移転前とおなじく
ハーフポーションも用意されていますが、
フルポーションで3~8千円と単品価格はかなり高くなっており、
全ての料理にハーフポーションがあるわけではなく、
設定される料理もかなり少なくなっています。
肉が牛、鶏類、子羊と種類が少ないのも気になります。
コースしか頼むなという意味で、
食材に拘る食通をターゲットにしていないのでしょう。
メニューが読みにくく、ハーフポーションも少なく、
肉類も少ないのはコースに追い込む戦略と読みました。
料理は、価格が高い事もありますが悪くはありません。
「オー グー ドゥ ジュール」へ移った
中村シェフの後を継いだ元スーシェフは、
当初は模倣に頼っていたようですが、
移転後の店では新しい料理を考えてきました。
昔からの定番は、野菜のモザイクテリーヌと、
オマールのグリル、カリカリのジャガイモくらいでしょうか。
新しく考えたから種類は少ないのでしょうが、
山鶉のガランティーヌはかなり出来がよかった。
しかし、定番のモザイクは
「オー グー ドゥ ジュール」系の2店に軍配を上げます。
フォアグラ、仔羊とアラカルト料理も
量は少なかったが味わいはよく、シェフの進歩が伺われますが、
いかんせん値段が高いのが残念。
デザートはワゴンで2千円、サービス料は10%で、
アラカルトでセーヴして、かなり安めのワインを頼んでも
一人当たり3万円前後
(3500円の高価なグラスシャンパーニュを飲んだからか)
とかなりのものになりました。
<結論>
どうしてもマダムの笑顔の裏に、
ドレスの下にソロバンが透けて見えてしまいます。
オープン記念というならば、サービス精神をだすべきところ、
グランメゾンでも1千500円前後で出すグラスシャンパーニュを、
高価なものだけに限定して、
しかも掛け率を高くして提供する傲慢さ。
グランメゾンの同業者もびっくりしていたこのボッタクリに、
友里は多いに憤慨です。
いくら地代が高いといえ、元の店を考えたら、
身の丈にあった店造りを考えるべきもの。
4階の「趙楊」と同じくあまりのマダムの勘違い経営に、
どこまでこの強気が続けられるか。
そういえば18時過ぎに「小十」へ入るマダムを偶然目撃しました。
店はオープンしているはずですが、
さすが店を空けて「小十」など流行の店に通える余裕は、
順調な集客と
料理やワインの値付けの高さからきているのでしょうか。
シェフの料理がよくなってきただけに、
マダムの経営方針が残念でなりません。