第673回 レビューやブログを削除させる前にやることがあるはずだ
- Tweet
- 2005年6月13日(月)
同じような内容のメールをいただきました。
自分のブログで飲食店訪問の感想を述べている方、
最大のネットレストランガイドに投稿している
レビュアーの方々です。
何でも、最近都心にオープンしてきた、
マスコミにも頻繁に取り上げられている
「あるお店」のことを書いたら、
店側からブログやガイドの管理事務局へ
執拗に削除するよう抗議があったそうです。
掲載基本ガイドラインに抵触していないと説明しても、
店側が納得しないようで、事務局が根負けし、
結果削除されたとのこと。
事なかれ主義の事務局は、弱腰で揉め事を嫌うのでしょう。
普通の一般人の個人ブログにまで文句をつけてくるという事は、
この店の主人は、ネットで毎日自分の店を検索して
すべてのコメントやレビューをチェック、
ベタ褒め・ヨイショ記事には相好を崩し、
ネガティヴな意見を読むと激情するのでしょう、
すぐさま事務局へ猛抗議して削除させるようです。
よくいう「いい所取り」ですね。
裸の王様とも言うのでしょうか、
心地よい褒め言葉しか受け入れられないその店主の頭には、
「謙虚に他人の意見を受け入れる」というものがないのでしょう。
今後の進歩をまったく期待できない店だと考えます。
削除するよう抗議するのではなく、
正面から堂々と反論したらどうなのか。
部屋にこもってググる暇があるならば、
HPなりブログを立ち上げて、
そこでネガティヴな意見を引用して反論すればいいだけのこと。
反論の余地がないから削除させているのでしょうけど、
私には陰湿に感じます。
私は以前から訴えております。
ベタ褒め、ヨイショ、過大評価をそのまま受け入れるならば、
当然ネガティヴな意見も甘んじて受け入れるべきだ、
いちいち怒るな、と。
褒め言葉しか聞き入れない人に、
まともな自己研鑽、その後の成長は期待できません。
それが嫌なら、
「褒めすぎだ、みえみえのヨイショをするな、
俺はそんなに凄くない」
と料理評論家、フード・レストランジャーナリストたちの
紹介記事にも文句をつけるべきでしょう。
いい所どりだけするのは、ゆるされないと考えます。
ここまで奥歯に物の挟まった言い方で失礼しました。
友里流にずばっと言わせていただくと、
その店の名は「チャイニーズレストラン 直城」。
町田の四川料理店「随息居」の息子が
高輪警察近くの住宅街にこの春進出してきました。
私は昨年の6月頃の日刊ゲンダイでのコラムで、
立地の悪いところでよく見られる、「過大評価の店」と位置づけ、
結論として「その気になって都心に進出してこないことを祈る」と
〆たのですが、店主の勘違いは直らず、
祈りは天に通じなかったようです。
主人の子供が店内でうろうろしていたらしく、
皮肉を込めて「子供嫌いには合わない」と書いたらば、
「プライバシーの侵害だ」とクレームをつけてきたそうです。
よくも詭弁を弄するというか、お金をいただいて客を招く店内へ
プライベートな子供を持ち込む行為を棚に上げての発言に驚きです。
子供の存在を書いただけでどうしてプライバシーの侵害なのか。
そっちがわざわざ連れてきただけで、
家の中を覗いて子供の存在を知ったわけではありません。
どちらに非があるかは明白でしょう。
その他でも
「評価を控える」とややネガティヴなコメントにまで過剰反応して
削除依頼の強烈な要請。
店がオープンしている時や下準備の時は
さすがにネット検索できないでしょうから、
早朝、深夜、休日の合間を縫って
PCに必死に向かっているのでしょう。
そこで私は言いたい。
そんな事に精を出すのではなく、
料理人ならばもっと打ち込む事があるのではないか。
そんなに暇があったら、
日々研鑽することの方が大事ではないのか、と。
5500円1コースと選択肢のない制度に変更、
しかも町田のときよりCPが劣化したとの噂も多く聞きますが、
フードジャーナリストの森脇慶子さん、
大谷浩己さんたちは相変わらずベタ褒めのようです。
彼ら(森脇さん、大谷さん)の舌と根性には
ほとほと呆れるばかりですが、売れたようには思えなかった、
今は書店でも見かけない
「フランスワインの12カ月」(講談社 大谷浩己著)が
入り口の目立つところに飾ってありました。
ここまで、主人が大谷氏に媚を売るのはなぜなのか。
おそらく実質、大谷氏が仕切っていると思われる
「東京最高のレストラン」の2006年版(今秋発売?)では、
今年の注目店として大きく取り上げるという
取引が成立しているのでしょうね。
お互いに宣伝しあうという、公平性もあったものではない
ジャーナリストと店側の癒着に辟易です。
私は最初から主張しています。
「性格の悪い料理人の店にうまいものなし」と。
わずかに例外があることがここ何年かでわかってきましたが、
この「直城」の主人の性格にも問題がある事は確かなようです。
私も何回か訪問しておりますが、
いずれまとめて近いうちに
このコラムで取り上げてみたいと思います。
結果はその時までどうぞお楽しみに。