第66回 蕎麦1枚の分量に不満はありませんか
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- 2003年7月23日(水)
特に、おいしいと言われている店や高額店では
1枚の量がより少ないようです。
1枚の値段が高いほど量が減ってしまう、
この量vs価格の反比例が私には納得できません。
街場の出前をやっているような安い店、
例えば500円くらいの蕎麦が、高額店の1枚1000円の
3倍くらいあるのですから不思議です。
いくら原材料の質が違うといっても、
都合6倍の差がでるものでしょうか。
高級品といえども、蕎麦粉の絶対金額は安いものです。
蕎麦の原価率がはるかに低いということは周知の事実なのです。
料理の中で、蕎麦ほど一単位の量に差があるものはありません。
カレーやハンバーグ、ラーメン、鮨の1貫でも
店によって大小はあるでしょうが、
量に3倍の差があるものはない。
なぜ、勝手に店は1枚の分量を決めてしまうのでしょうか。
昔の仕来りから2つ食べるのが一般だったという話を
聞いたことがあります。新橋の「本陣房」グループの店は、
1枚というとせいろが2段のことを言いますが、
この話からきたのでしょうか。
でも、それは安く設定しているから2単位頼めるわけでして、
1枚が1000円前後という高額設定ではその言い訳は通用しません。
日本橋の「室町 砂場」にしても「竹やぶ」グループにしても
高額設定なのに量はわずかなものです。
原価の安い、本来庶民の味方であるはずの蕎麦が、
何千円も払わないとお腹一杯にならないという現状を
なぜ世間は容認しているのでしょうか。
暴動が起きてもおかしくないくらい、
客をないがしろにしている店の態度です。
蕎麦の世界は、「通」、「オタク」がかなり多いと聞きます。
彼らが長い年月かかって
蕎麦屋を甘やかせてしまったのではないでしょうか。