第659回 シェフ、板長に聞いてみたい その2なぜ一般客でなくマスヒロさんにだけ

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  • 2005年5月30日(月)
どうやらこれから山本益博氏は
浅草の中華料理店「龍圓」の売り出しをはかるようです。
6月号「大人の週末」の食べ歩き手帳では、
3月某日に訪れたとしてトップに掲載。
かなりのスペースを使い、
帰りがけに奥から挨拶にでてきた主人とのやりとりを紹介して、
なんとも爽やかな料理人と表現、
何度も通ってメニューを食べつくしたいと締めくくっていました。
その後店側と色々「やりとり」があったのでしょうか。
彼が主宰する「ア・ターブル99」とかいう会員制クラブの食事会で
6月4日に開催が決定しておりました。

私は拙著で「龍圓」を、
友里に夕刊紙で取り上げられてから
実名で意見を言ってきた最初の料理人として紹介、
その気概に「とにかく飛び込むべし」
とお勧めした店でもあったので、
何かひっかかるものを感じたのです。
その後も数回覆面で訪れましたが、
他の客もふくめて
主人が帰り際の客に挨拶にでてくるところに
出くわした事がありません。
おそらく「分とく山」や「ブルギニオン」などのように、
看板料理人・シェフがお見送りするシステムの店ではないはずで、
マスヒロさんにだけ特別の配慮を示したのでしょう。

しかし私は龍圓に限らず、シェフや板長に聞いてみたいのです。
一般客に普段挨拶しないのに、
なぜマスヒロさんにだけ挨拶するのかと。
端で見ていると、「媚をうっている」としか見えません。
それなら一般客にもするべきでしょう。
権力者というか影響力をもった人に
揉み手で擦り寄っていることをさらすだけで、
他の客には印象がよくなるはずがありません。

そしてここが問題。
マスヒロさんはとにかく目立ちたがり、自慢したがりの方ですから、
必ず店紹介の時、料理人が帰り際、
自分に挨拶に出てきたと書きます。
自分の権威付け、自分が格上であると読者に知らせたいのでしょう。
要は店側が自分にペコペコしている、さすがマスヒロ先生だ、
と「純粋な読者」により信奉させる手法をとりますから、
挨拶にのこのこ出て行った事が必ず暴露されます。

私は料理人に聞きたい。
なぜ、書かれる事がわかっているのに、
ノコノコ挨拶に出ていくのですか。
普段一般客に挨拶していない場合、
媚を売ったとしか思われないのがわかりませんか。
そして、それがますます
マスヒロさんの権威付けにしかならないのがわかりませんか、と。

PS
646回647回で「南進」を取り上げた際、
私の稚拙な文章から読者の皆様に誤解を与えてしまうと、
何人かの読者の方からご指摘を受けました。
「活け〆」ですが、
船上や港でその場で〆るものが「活け〆」であるのは、
いくら「素人」と巷で言われている友里征耶でも存じております。
当然、フグの場合は
「マル」(1匹そのまま)と「ミガキ」(捌いたもの)
があるということは以前のコラムで述べております。
ただ今回の場合、
「活け〆」と「水槽」が並列に存在していたわけで、
水槽の魚(泳ぎというらしいです)を
その場で〆るであろうこの店を、
「水槽の魚の活け〆」と称したものです。
今回色々メールで
この「活け〆」の定義をご教授いただいたなかでは、
船や港で〆なくても、
泳がしている魚を店の要望で〆て納入した場合も
「活け〆」というと教わりました。
今後もご意見、ご指摘をお願いします。