第640回 客が少なくて寂しすぎる、シズイエム サンス 2

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  • 2005年5月11日(水)
ワインの品揃えは不思議です。
自社扱いなのか、
アヤラやジャック セロスというシャンパーニュが
安めに設定されている割に、
沈没船から引き上げた20世紀始めのノンヴィンものが126万円。
確かオークションで当初出された落札価格は
40万円程度だったと記憶しています。
こんあなもの頼む人はいないでしょう。
ざっと見て、白ワインは4千円から67万円まで、
赤は8300円から100万円まであります。
自社扱いの造り手なのか、
2~3のドメーヌのワインがかなりの部分を占めていましたが、
その他は人気、カリスマ造り手のワインが2~3倍の値付けであり、
100万円のロマネ・コンティまで数ヴィンテージありました。
客がほとんど入っていない、こんなド派手なフレンチで、
こんな高額なワインを飲む人がいるのでしょうか。
種類は多いですが、一般客には選択肢の少ない、
いわゆるノーセンスなワインリストであります。

料理は1万2千円、1万4千円、1万8千円のコースが主体。
その他予約が必要なお任せコースや
若干のアラカルトもあるようです。
1万2千円のコースをベースに、
高額コースは料理が増えていくだけです。
カトラリーはクリストフルなのですが、
器やグラスは山本氏の趣味を反映したのか奇抜で使いにくいもの。
ビールグラス、有塩、無塩の2種のバター皿、そしてパン皿なども
シンプルではなく、
客には使い勝手の悪い、自己主張の強いデザインとなっております。

肝心の料理ですが、
フォアグラ、秋トリュフのスープ、鰆とホタテの挟みソテー、
薫香のついた鴨など独創性に欠けるものの悪くはありません。
どちらかというと美味しいレベル。
火入れなど基本的な技量も問題ありませんが、
この価格なら当たり前でしょうか。

サービス料はなく、総計はメニューの価格の加算だけ。
頼むワインにもよりますが、一人3万円前後で終わるでしょう。
しかしバーからは人声が聞こえてくるものの、
ホールの客は我々だけ。内装や食器が奇抜で使いにくく、
ワインや料理に選択肢がなく、この寂しいホールですから、
料理が多少良くてもリピートする気になれませんでした。

<結論>
大手のオエノングループ経営だから破綻はしないだろうが、
集客は寂しい限り。
なぜフレンチに銅版画家なのか、
奇抜なデザインで集客をはかるのは時代遅れと考えます。
ニューオータニ東京の「トゥール ダルジャン」元シェフ、
現大阪の「サクラ」シェフであるコルビ氏が料理顧問と聞きました。
折角の料理が奇抜な店内と器に邪魔されているのは残念です。