第625回 限られた客層にしか使えない、一宝 交詢ビル 1

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  • 2005年4月26日(火)
東京と大阪で天麩羅のネタの仕込みや揚げ方に
明確な違いがあるとは思えません。
わざわざ箱根の山を越えてまで、
大阪から銀座へ天麩羅をひっさげて
上京してくるほどのものがあるのでしょうか。
折角の駐車場設備も常時「空車」ランプが燈っていて
フルに活用されてない、そして不振の飲食店が多い交詢ビル。
比較的大箱な店が4店集まっている5階のフロアに
天麩羅屋「一宝」はあります。
254平米ですから80坪弱。
そこに8名用の白木のカウンターが2つに、
いくつかの個室で50名収容。
こんなに余裕をもたせて大丈夫なのだろうか、
入る前にCPの悪さを予感させてしまう店構えであります。

5階フロアは人通りがありません。
よって店内は予約客ばかり、
しかもカウンターは同伴カップルばかりでした。
禁煙と喫煙の2つに分かれているカウンター席は、
当然喫煙用が主に活躍しています。
別々の同伴カップルのホステス同士が知り合いで、
客を忘れて会話がはずむなど、
品がいいとは思えない雰囲気の中、
渡されたリストには、この手の店のお約束、
ワインが並んでおりました。

しかし、ノンヴィンシャンパーニュが7500円、
その他有名ワインも小売の2倍以下と推測する値付けで、
意外に高くはありません。
これにはびっくりしました。
天麩羅にワインはまったく必要性がないと思いますが、
頼む客が銀座には多いのでしょうか。

天麩羅はコース制で、
先付け、前菜に天麩羅が12品ついて1万円。
13品に増えて吸い物がついて1万2千円。
刺身と天麩羅が更に増えて1万5千円と、
他の高級天麩羅屋と比べても価格設定は高くありません。
高額天麩羅屋の平均的な価格設定でしょう。
天麩羅自身がおいしければCPの良い店と言えるのですが・・・

<明日に続く>