第572回 安いからか人気がある、陳麻婆豆腐 1

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  • 2005年3月4日(金)
痘痕顔の陳婆さんが考え出したという「陳麻婆豆腐」は
四川料理の枠を出て、中華の中でも「フカヒレ」と並ぶ
有名な料理として認知されています。
そのレシピの元祖といわれている、
成都の「陳麻婆豆腐」が提携した店が
都内にいくつか出店しています。

お台場店はそのものずばり、陳麻婆豆腐専門店。
中華専門のフロア自体にあまり客が歩いておらず、
その中でもこの店は、私が通った時に限定すれば、
客で一杯にはなっておりません。
1280円と街場のラーメン屋のような店構えの割に
かなり高い値付けで、
辛いもの好きや麻婆豆腐オタクでないと入りにくいのです。
何も言わなければ、本店の辛さの7割、
特注すれば本店並みの辛さに調整してくれる麻婆豆腐は、
東京の中ではかなり辛い部類に入るでしょう。
やや不足がちな花椒(四川の山椒)は
備え付けのミルでいくらでも追加することが出来ます。
辛さの中に豆板醤の旨みも感じ、
東破(原宿)のように無意味に痺れるだけのものではなく
味わいを感じるものです。
しかし、生ビールや紹興酒は薄く感じる質の良くないもの、
よってお酒を含めてゆっくり楽しむ店ではありません。
夜は行ったことがないのですが、
このシステムではゆっくり出来ず
かなり厳しいのではないでしょうか。
まずデートや宴会に使えないからです。

同じ系列ではありますが、
赤坂店はビジネス客を狙ったのか
大箱でいくらか高級感を出して成功しています。
ランチは麻婆豆腐のほか、数種の四川料理を用意して一律950円。
スープやザーサイ付きですから、
ビジネスランチとしてそこそこ競争力を持っているのでしょう。
昼時は男女ともに行列が出来ている人気店であります。
価格も安いからか、辛さ、痺れもやや抑えられたもので、
より広い客層に受け入れられているようです。

<明日に続く>