第546回 ワインの諸々 その47ピーロート ジャパンの戦術
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- 2005年2月6日(日)
「ピーロート ジャパン」という会社のことを思い出しました。
ご存知の方も多いかもしれませんが、
結構大きく展開しているインポーター兼小売業者です。
商売の基本はDMと訪問販売です。
DMのアンケートに答えた客に、
アポイントをとった女性スタッフが夜でも訪問。
黒いカバンには甘口のドイツワインが3本ほど入っています。
よくワインは、「白に始まって白に終わる」と言われています。
初心者は白、とくに飲み易い甘口を好み、
次第に赤ワインに惹かれていく。
しかし、最終的にはまた辛口や甘口でも
熟成ワインに帰っていくという例えですが、
まずは白ワインを薦めるのが手っ取り早いのはこの業界の基本です。
試飲と称してこの3本を飲ませてもらうのですが、
わざわざ訪問してきた女性に、
そしてただで飲ませてもらった負い目もあり、
ついついオーダーしてしまう客は多いようです。
聞いた話では、ターゲットは地方のお金持ちとか。
医者や弁護士など自由業の方が優良な客層のようです。
最初は安価なドイツワインなのですが、
実はこの会社が高級なカリフォルニアワインや
フランスの古酒なども扱っていることを知るようになった客が
注文を増やしていくようになるようです。
今はどうか知りませんが、
以前は都ホテルで大きなイヴェントをしていました。
フランスワインをはじめ、色々試飲させながら、
担当者がへばりついて、ついつい買ってしまったこともありました。
昔は結構安い設定のものもあり購入したと記憶していますが、
第三次ワインブームで結構値上がりしてしまってから
私は疎遠になっております。
ある意味、他社とは違った営業をしていた会社で、
その独自の販売網を構築していたと言えるでしょう。
最近はネット専門の無店舗販売もかなりあります。
昔ながらに化粧品ではありませんが、
対面販売を続けているショップもあります。
各々ブームが去った後のこの時期の乗り切りに頭を悩まし、
苦労しているようですが、
やはり基本はコンテンツ(扱うワイン)と
値付けに限ることでしょう。
昔ながら、
ワイン会を開催しながら客を引っ張っている店もありますが、
10年前と違って誰でも何でも売れる時代ではないようで、
これからもこの厳しさは続くと思います。