第541回 料理人魂を置いてきたのか、Ryouri genten 2
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- 2005年2月1日(火)
(天汁とゼラチンをまぜた泡状のもの)は、
天麩羅自体が並なので、天汁だけに拘るのは本末転倒。
しかも段々くどく感じてきて直ぐ飽きます。
塩で食べるにはネタ質と揚げ方が凡庸なので
客の舌を惑わす戦略なのでしょうが、
天汁に工夫する前にもっとやること、改善することがあるはずです。
きりたんぽのテリーヌも、和食としては斬新でしょうが、
最近はフレンチでよく見る野菜のテリーヌの
ただの「きりたんぽ版」。
雑誌などで言われているような素晴らしいものであるはずがなく、
1回食べれば充分ですが、
これは定番なようで毎回出てくるのですから信じられません。
今時、湯葉揚げが珍しい訳でもなく、
冷凍と思われるタラバが入っているからといって、
子供でも喜ばないのではないでしょうか。
「いぶりがっこ」のミルフィーユはレモンバターでかなり甘く、
焼きおにぎりなどご飯物の前に出てくるのはいかがなものか。
デザートがでてきたかと思いました。
しかも、せっかくのいぶりがっこの食感が薄すぎて楽しめません。
冬野菜のジュレ、素揚げした小さなフカヒレの茶碗蒸しも
捻っていますが、肝心の食材や味わいに
心打たれるものを感じませんでした。
ちっぽけなフカヒレしか出せないならば、
食材を変更した方がいいでしょう。
ミーハー受けを狙った、
「高級食材もどきアイテム」使用なのが見え見えです。
日本酒は高くはないが、
ワインは白1種、赤4種と種類が少なくパッとしないものばかり。
勿論、JCオカザワ氏が述べているように、
ワインに詳しいスタッフではありません。
無理に秋田創作料理にワインを合わせようとする
意味はないでしょう。
店の拘りを見せるワインを置けないならば
やめたほうがいいのですが、
ワインにまったく詳しくないマスヒロ氏のプロデュースの限界が
ここに如実にあらわれています。
男性スタッフも、昔の洋食屋にいた方のように見え、
店内の内装や創作和食に合っているとは思えません。
奥のテーブルに座ると、目線の高さに
ビルの外壁に設置された赤い「紅虎餃子房」の看板があり、
嫌でも目に飛び込んできます。
その向こうには「スタバ」の大きなネオンが控えています。
山本益博氏のプロデュースには、
このような変な借景などに対する
アドヴァイスが含まれていないのでしょうか。
<結論>
ランチは3千円なのでそれほど悪くはありません。
話のタネに一回だけならお勧めします。
しかし、捻った創作料理のはずなのに、
1年経っても内容が半分も変わらないワンパターンでは、
銀座で直ぐ飽きられることでしょう。
一見相手の店、リピーターは出来ないと考えます。
高橋氏は秋田でブレイクして、舞い上がってしまったようですが、
このように自分の利益のために
勘違いするよう仕掛けてくる人たちがおおいのが
この業界の特徴です。
でも、マスヒロ氏のアドヴァイスって、
森ビルをはじめ成功したことがあるのでしょうか。