第532回 ワインの諸々 その4ソムリエナイフ
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- 2005年1月23日(日)
テコを応用したスクリュー式のオープナーが一番簡単でしょう。
スクリューの先がコルク端を突き抜けるので、
若干コルク片がワインに落ちる可能性がある、
古酒のボロボロのコルクには使用できない、
などの欠点がありますが、
レストランではなく自宅で使用するならば
そんなに問題はありません。
ではプロが使用しているソムリエナイフ。
あの「六覺燈」の主人は
瞬間に抜栓できるハイテクな簡易オープナーを使っていまして、
スクリューがコルク端を突き抜けていないのか不安でしたが、
ある程度拘ったレストランでは
このソムリエナイフが使われています。
ブランド的には、
「シャトー ラギオール」と「ライヨール」というものが有名です。
混同している方もいらっしゃいますが、
この2つは別物、産地も違います。
ナイフやテコの部分などの形状が若干違いますが
どちらも1万4千円以上、高いものは3万円近くになります。
特に有名ソムリエモデルというのは2万円を超えていますが、
機能は同じ。
赤白の変な派手なデザインで、持っている人を見た事がありません。
ワインファン、マニアの憧れ、
プロの象徴とまで言われていまして、
私も昔に2本ほど「ラギオール」の方を購入しまして
今でも愛用しています。
しかし、皆さん、実際のレストランでソムリエが
このどちらかのブランドのナイフ使っているところを
見たことがありますか。
単純なステンレス製の
シンプルなナイフを使用しているのがほとんどではないでしょうか。
一日に1本しか開けない個人と違って
何本、何十本と毎日開けるソムリエのナイフは
かなり消耗するようです。
多分経済的な理由もあり実用的な物を使用していると考えます。
また今は3つ星ですが、10年ほど前に訪問した「ギイ サヴォア」。
61年と結構古めのワインを頼んだのですが、
ソムリエはオープナーを使っていたのには驚きました。
最近はイタリアワインも含めて
コルクがかなり長くなってきているように感じます。
今のタイプはどうなっているかわかりませんが、
私のナイフではスクリューやテコの長さの問題なのか、
長いコルクが開けにくくなってきています。
持込んだ古酒など難しいコルクを抜栓する時は、
自己責任ということで、自分で抜く事があります。
お店の人にナイフを借りる場合もあるのですが、
そのシンプルなナイフの方が使いやすいと感じる事もあります。
ワインと違って、
ソムリエナイフは高ければ良いというものではないようです。