第52回 今までと違った料理店評価を東京以外にも・・・

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  • 2003年7月9日(水)
おかげさまで拙著「シェフ、板長を斬る・・・」の出版を機に、
「日刊ゲンダイ」の連載が始まり、
「週刊現代」のスポット特集記事なども通して、
私の料理店評価の姿勢が
少しは認知されてきたのではないかと思います。
すべてを認められることはないでしょうが、
このような考え方、評価の切り口もあるということを
ご理解いただければ幸いです。

取り上げた料理店のなかには、心無い料理人たちが指摘された点、
つまり事実を改善せず(性格を直すのは難しい)、
逆恨みをして一部騒いでいるようです。
一時の感情に走って分別ない行動をとらず、
冷静な第三者に相談するなりして、
法に則った大人の対応を取っていただきたいものです。

彼らの思惑とは逆に、一般客である読者の方たちに加えて、
同業者である料理人、料理店経営者の方たちからも
かなり賛同、励ましのお便りをいただいております。
騒いでいる料理人たちは、
この事実をどう受け止めるのでしょうか。
既存の料理評論家、フードジャーナリストたちの
ヨイショや持て囃しなど、自分たちに都合のよいことは
「事実」に反していても異論を唱えず、
気に障る本当の「事実」を書かれて怒り狂うのはいかがなものか。
大人気ない。
自分たちに都合の良い記事しか認めないのでは、
彼らの狭い価値観から脱却できませんし、進歩がありません。
ここまで彼らを甘やかしてしまったのは、
マスコミの責任でもあります。
彼らの思い上がり、勘違いを指摘する
真面目な同業者の方が多いことをあらためて知りました。
彼らがはやく冷静にこのことに気づくことを祈るだけです。

ところで、色々なお便りや書評などから、
同じようなスタンスの全国版のニーズを知りました。
北海道や関西でもこのような本がないかと。
出版した「グラフ社」も、拙著の出版に刺激され、
同じような考えの方、
もしくは既存の評価本に不満をもたれている方から
他地域の料理店評価といった企画を持ち込んでくるのではと
予想していたようですが、今のところ皆無だそうです。
ご存知のように私には本業があり、取材費なしの自腹取材。
出張で他地域へ行った場合は、好きですから料理店を訪問しますが
時間と予算に余裕がなく、思うように取材ができません。

勘違い料理人を駆逐し、一般客を大事にする
本来あるべき料理界に戻すには、
より多くの一般客の方に読んでいただける、
今までの評価本、グルメ本とは
違った切り口の書き物が必要と考えています。
私とは違った考え方もあるでしょう。
要は料理人ベッタリではなく、一般客に軸足を置いた評価です。
それには、東京だけでなく
全国的な盛り上がりが必要ではないかと。

私の評価スタンスが絶対というわけではありません。
ただ、既存の評価本、評論家、フードジャーナリストに
立ち向かって、真に一般客のための評価をしてみたいという方は
現れないのでしょうか。
全国的な盛り上がりが、
勘違い料理人とマスコミの馴れ合いをなくし、
料理界を良い方向へ導くと私は思うのです。