第511回 東京の客を舐めるな、よねむら 1
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- 2004年12月20日(月)
私は訪問するどころか
一生その存在を知ることがなかったでしょう。
京都の地元では
人気の和洋をクロスオーバーした創作料理とのことですが、
東京では同じレストラン業界の人でも知らない人が結構いる、
京都の似非創作フレンチ店が銀座に進出してきました。
カウンター料理をウリにした、40席前後の結構大箱な店。
いかにもダイニング系と思わせる外観と内装なのですが、
閑散とした店が多い交詢ビル飲食店の中では、
集客が順調なのが不思議です。
まず価格が高い。
完全コース制でランチは6千円、9千円、1万2千円。
「ロオジエ」より高い価格設定にはびっくり。
夜は1万4千円だけとこれまた高い。
この値付けでよく京都の人が入っているなとネットで調べたら、
地元では夜が1万円くらい、ランチは5千円、7千円、9千円と
3割ほど東京店は値上げておりました。
この価格差は地代の差額として
すべて交詢社に吸い上げられたわけではないでしょう、
これでも東京人はやってくるだろうと
舐めてかかっていると考えます。
客層を見ると、昼は若いカップルやオジサン一人客、
夜は男女のグループ客が目立ちます。
要は本格的なフレンチやイタリアンを
食べこんでいる客層ではないということ。
初めての訪問なのに雑誌で仕入れた知識なのか、
裏メニューを出せといった若いカップルが
ランチで1万2千円を頼んでいたのには驚きました。
料理は少量のやや多皿スタイル。
6~9皿と価格で皿数が異なるようですが、
ほとんどの料理は、用意されている箸で食べられるもの。
似非創作系フレンチの特徴です。
また昼夜の訪問でいくつか同じような料理にも遭遇しました。
スッポンのスープは昼夜まったく同じ。
エンペラまで入っていて入門者には受けるかもしれませんが、
味わいに深みがなく技術と質の両方に問題あり。
〆に出てくる薄い和牛のステーキとカレーライスも
その辺の洋食屋で出会えそうなものでほとんど一口タイプです。
<明日に続く>