第485回 不振は飲食店の選択と値付けが原因か、交詢ビル
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- 2004年11月24日(水)
この秋オープンした交詢ビルの飲食店も
一部の店を除いてかなり集客に苦労しているようです。
現在比較的客が入っている店でもこのままの勢いが保てるのか、
いやいや先は見えない、暗いのではないかと予測するのは
友里だけではないはずです。
ではなぜ先が暗いのか、全体的に不振なのか、
今日はちょっとその原因を考えてみたいと思います。
まずは料理店のカテゴリーです。
和食系は鮨屋を入れると、
「木挽庵」、「逸喜優」、「たらふくまんま」、「やた」と4店。
フレンチ系は「オストラル」、「よねむら」の2店。
中華は「趙楊」、「離宮」の2店。
揚げ物、焼き物系が、
「六覺燈」、「かつぜん」、「南漢亭」、「かいか」、
「今半」、「一宝」と6店です。
店数が14店と多いのも問題ですが、
かなり重複しているのがわかります。
そして今一番勢いのあるイタリアンが一軒もないのです。
一番の客層である勤め帰りの女性が好むイタリアンを省き、
オヤジ好みの鉄板焼きやすき焼き、天麩羅なのですから、
時代の流れに逆らっていると考えます。
おそらく三井不動産のこのプロジェクト担当グループは、
若手がいなかったのか、
それとも銀座なので同伴カップルや接待客主体、と
判断を間違えて店舗募集をしたのではないかと考えてしまうのです。
また、14店がほとんど同じ価格帯で
コース制を全面に押し出しでいるというのも、
同じレベルの客を取り合うだけでしょう。
何を勘違いしたか、池袋の豚カツ屋も最低で8500円、
真ん中のコースで1万2500円です。
すき焼き、天麩羅、鮨ならばまだわかりますが、
韓国料理や串揚げ、
そして今までが5千円だった四川料理までが
1万円前後に談合したかのごとく
同じような高値をつけているのも戦略ミスです。
14店の店が同じような客単価、
しかもそれが世間一般で言う高額店に位置するものばかりですから、
訪れる客層は限られてしまうのです。
バーニーズに入店するような動線でなければ
飲食店フロアへ行けないのも問題です。
入りにくいですから、
フラッと通って入店する一見客を期待できず、
予約客に頼るばかりです。
実際、フロアの人通りは週末や土日でもほとんど見かけません。
交詢社やバーニーズのネームバリューで
集客をはかれると考えたのでしょうが、
安かった店まで高額設定してきた店に
ホイホイ迷い込むほど銀座の客は甘くはなかったということです。