第473回 禁煙席の設定の仕方で店の姿勢や客層がわかる

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  • 2004年11月12日(金)
訪れる料理店が禁煙なのか、喫煙者にも寛容なのか、
なかなかその情報が手に入らないことがあります。
鮨屋やフレンチなどで
全店禁煙にする英断を下す店も出てきたようですが、
まだまだ多くはありません。

そんな中で、交詢ビルのフロアガイドは全飲食店が、
喫煙可か禁煙かの情報を載せています。
ざっと見てみてタイプは3つ。
全席禁煙、全席喫煙可、
そしてこれが一番一般的ですが、禁煙席あり、というものです。

全席禁煙は鮨の「逸喜優」、豚カツ「かつぜん」。
「オストラル」も入り口付近に喫煙所ありとのことで、
ホールは全席禁煙なのでしょう。
鮨屋やワインには煙はまったく邪魔なだけで必要ありません。
おそらく主人やマダムも喫煙者ではないと判断します。
来店する客層も喫煙者が少ないのでしょう。

反対に全席喫煙可、つまり禁煙ゾーンがない店は、
「趙楊」、「八た」、「かいか」、「たらふくまんま」の4店。
「趙楊」の主人は客前でも堂々と吸っていますから、
これは予想できました。
しかし、九州から「あら」など
新鮮な食材を空輸していると言っている店が、
食材の味わいを悪くするタバコに寛容ということは、
常連客も居酒屋並に喫煙者が多いということでしょうか。
京料理の「八た」も全席喫煙可ですが、
客から文句が出ないのでしょうか。
和食に煙は大敵だと思うのですが、
そのような事を気にしない、寛容な客が多いということですから、
店の料理も期待できないのではと
ついつい思ってしまいます。
鉄板焼きの「かいか」は集客に特に苦労していて、
スタッフが羨ましそうに「六覺燈」のマダムに
入店している客層の話を聞いていました。
「かいか」の高い値付けと喫煙可は、
おそらく銀座の接待客や同伴客を狙ったのでしょうが、
今のところ不発です。

再開発ビルなど最近の店では、
禁煙ゾーンを取り入れているのが一般的です。
そこへわざわざ逆行するかの全席喫煙可という方針は、
わざわざ外部に自分の常連客のレベルを
ネガティヴに開陳してしまっていると考えます。
店にとって有利に働くとは思えません。