第462回 青柳グループが六本木ヒルズから撤退
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- 2004年11月1日(月)
読者の方からも、
六本木ヒルズのウェストウォーク5階にある「basara」が
シャッターを下ろしているとの情報をいただきました。
前々から家賃などの支払面でもよい噂を聞いていなかったので、
さもありなんとは感じましたが、
あれほど有名、マスコミに持て囃された小山氏の店、
一時的な閉店だと思っていたのです。
9月の下旬に無駄だとわかっていながら、
高い値付けの「トマトすき焼き」を食べに取材に行ったばかりで、
確かに自腹を切ってまで食べる代物ではないと確認、
原稿ネタにしようと思っていた矢先の閉店では
シャレにもなりません。
そして、ある料理店の主人から、
「日本料理 小山」が閉店したとの話を聞いた10月中旬、
私は直ぐに確認のため駆けつけました。
「basara」はトリトンスクエアーへ移転したとの張り紙。
しかし、以前からこの地に店を開いていたはずですから、
移転ではありません。
リストラのはずですが、往生際が悪いというか
見栄をまだ張っているようです。
「旬菜 小山」、「日本料理 小山」は、
長らくのご愛顧の感謝と店を9月末で閉店した事が
簡単に書いてありました。
あまりにもあっけない店仕舞いに驚きです。
営業は続けていますが、
民事再生法で再生中(実質倒産)のソーホーズ経営の6だか7店と、
この青柳グループの3店をあわせて、
六本木ヒルズはわずか1年半で10店が実質潰れたことになります。
またエノテカもレストラン部分を売却していますから、
更に2店舗の経営者が変わっていることになります。
これはもう、各店だけの問題ではないのではないでしょうか。
森ビルの家賃の高さ以外、この手の再開発ビルのコンセプト自体に
問題があるのが明らかになったのではないかと考えます。
再開発ビルといっても実は高層なだけのオフィスビル。
未来永劫とはいかなくとも、
オフィスへ勤めている人以外の客が、
何年間も訪れ続く事はありえませんし、
また、わざわざ高額な支払いを覚悟して
高額料理店へいく必然性が再開発ビルにはないと考えます。
オープン1年まで周囲が渋滞していた恵比寿ガーデンなど、
今は土日でも結構閑散としています。
交詢ビルの悲惨な集客も誰でも認めるところ。
まだまだ立て直される再開発ビル、
特に旧防衛庁跡の東京ミッドタウンプロジェクトの三井不動産から
出店を口説かれている料理人や多店舗展開の経営者の皆さん、
歴史は繰り返されるということを頭にいれて
「おいしい話」を聞き流す勇気が必要と考えます。