第456回 あのエノテカがレストラン事業から撤退!

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  • 2004年10月26日(火)
14日発売の週刊新潮に、
「レストランを手放した『エノテカ』」
なる記事を見つけて驚きました。
9月末で東京や大阪に10店舗ほど展開していたレストラン部門を
すべて売却してしまったということです。

本業であるワインショップも、
博多だ、大阪だ、新潟だとかなりの多店舗展開。
銀座の小松ストアの店では、昼間の客がまばらで、
ここまで支店を増やして効果があるのか疑問でした。
もともと、保管状態より価格で魅力を出していた店です。
ワインブームのおりは、
かなりのボルドーグランヴァンやブルゴーニュの有名造り手の
ワインの垂直テースティング会なるものを開催していましたが、
あまり良い保管状態のものに出くわした記憶がありません。
一時は「まっとうな店」として、マスコミなどにも話題になった、
広尾の本店のレストランも、
そしてワイン売り場もそんなに活況ではなくなってきていて、
主に通販によって
ワインを売りさばいているのではないでしょうか。
六本木ヒルズに出した「ブルディガーラ」2店も
あっという間にブームは過ぎ去って集客に苦労していたようです。

順調に利益を上げていたら
営利会社としては決して手放すはずがありません。
かなりレストラン事業は厳しい状態だったと推測しますが、
ソーホーズのようになるまえに
撤退を決断したのは賢明だと思います。
しかし、買い手と言われる
喫茶店を展開する「トリコロール」に
このようなレストランの経営ノウハウがあるのでしょうか。
同じキーコーヒーグループでは
「イタリアン トマト」があるようですが、
これはカジュアルな店です。

広尾の本店は、
ワインショップとレストランが同じ建屋内にあります。
今後どのような営業スタイルになるのか、
興味のあるところですが、
先日料亭の主人がいみじくも言っていた格言を
また思い出しました。
「屏風と店は広げたら倒れる」
この言葉を常に心して
経営判断していくことが必要だとあらためて思いました。