第443回 とあるサイトへ一言二言 2
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- 2004年10月13日(水)
彼女の主張に対する私の検証と反論という形をとっていますが、
読者の皆様にも
今一度友里の主張の真意をおわかりいただきたいと考えます。
1「天然鰻を全面に押し出しているのは
あまり良いことだと思わないが、おいしければ良いではないか。
積まれた箱を見て色々想像するのは下品だ」
(野田岩について・387回参照)
現に本人も最初は食べていた鰻を天然だと思い込んでいたとのこと。
これこそ食を得意とされている方にしてはガードが甘い。
この店がやっている営業方針は、
純米に拘っていると宣伝しておきながら、
純米酒ではなく本醸造酒を飲ませているのとおなじく
不当表示売買にあたると私は考えます。
店に確認すればすぐわかるのですが、
野田岩は駒形の「前川」と違って、
天然鰻を食べたいからといってあらかじめ予約を受け付けません。
また、電話で当日問い合わせても、天然があるかどうか、
また、その日食べられるかどうかはっきり答えないのです。
来店してから聞いてください、と言うだけです。
しかも、入店してからの問い合わせで、
天然鰻の蒲焼はない、という場面に何回も遭遇しました。
仕方がないのでその時は養殖を食べて帰ったのですが、
問い合わせに対して曖昧に答えるのではなく、
あるのかないのか、せめて残りが少ないから売り切れるかも、
といった回答を電話問い合わせでするのが
「天然鰻に拘った店だ」とマスコミ操作させて
有利な営業をしている店の、せめてもの矜持だと考えます。
推測するに、
蒲焼用のまともな国産の天然鰻は
ほとんど仕入れていないのでしょうが、
それを言わずに客を釣りたいから姑息な回答をしているのでしょう。
白焼きが天然だとのことですが、
肉厚などをみると上質な天然物とは思えません。
サイト主宰者である彼女は調査不足なのですが、
ただ希望しても天然鰻を食べられないのです。
天然鰻の蒲焼がない日が多いのです。
それでも、パンフレットには、
冬以外は天然鰻に拘っていると書いているから、
インチキに近い、と私は言っているだけです。
おそらく店のパンフも読まずに友里を批判しているのでしょう。
養殖鰻の箱は、店の厨房に侵入して覗いたわけではありません。
入り口の横、つまり道路、公道だと思うのですが
そこに積み上げられていたものです。
この店の天然鰻に疑問をもつ者だったら、
もしくはそのような疑いがあると聞いている
ジャーナリストやライターならば、
真相解明のチャンスと、
町の美観をそこなう山積の箱に張り付いた伝票をチェックするのは
自然な行為ではないでしょうか。
想像ではなく、問い合わせや鰻業界関係者からの情報で、
あれは贈答用、デパ地下で売られている冷凍のもの、
仕入れの時から捌かれ加工された蒲焼だと聞いて、
コラムに書いただけです。
自分で調査せず、
店側、料理人の口上を素直に信じてしまう
出版業界のこのサイト主宰者には、
この店側が不利になる調査は下品に感じるのでしょうか。
2「自腹なんて関係ない、誰が支払おうと私の評価はかわらない」
本当にそうでしょうか。人間は先入観というものがあります。
自分の懐がいたまないならば、
無意識に判定の基準は下がってしまうと思うのですが、
理想をただ追い求めている人には
そういう現実はわからないのでしょう。
彼女は友里のコメントは、
「”物体としての料理やドリンクそのもの”だけのように思います」
と言って批判しています。
しかし、自腹や他腹に関係なく誰が払おうが、
たとえ店側の招待でも
影響を受けず料理の評価が出来るというならば、
それは絶対評価の出来る人です。
それこそ、「物体」として物理的に料理やドリンクを
正確に分析できる人でなければなせる技ではないでしょう。
完全な自己矛盾です。
接待客だけの店は老舗の超高級料亭以外は
うまいといわれる店が少ないのは皆さん経験されているはずです。
(その料亭でも、高すぎてCPは悪いでしょうが)
個人客は接待主体の店を避ける傾向があります。
これは、自腹を痛めない客からは、
店側にフィードバックがかかりにくく、店が進歩しない、
後退するからということを知っているからの行動と考えます。
飲食代を払わないで
実名取材をしているフード・レストランジャーナリストたちも、
無料なら本当のことを書けないでしょう。
どうしてこんな簡単なことがわからないのか。
コラムの副題「自腹ゆえに・・」などと書くなとも言っています。
キャッチとしても何だ、とのことですが、
これは私の趣味ではなく、邱永漢さんの案。
私もキャッチとしては悪くないので了解したのですが、
人のタイトルやキャッチが、
内容と違うならば批判してもいいと思いますが、
自腹の観点でゆるぎない姿勢を保っていると自負していますので、
このイチャモンは納得できません。