第441回 オープンから心配、交詢ビル

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  • 2004年10月11日(月)
私の原稿は2週間くらい前に入稿しますので、
タイムリーでないことをお詫び申し上げます。
この1日にオープンした交詢ビルへ、
初日夜、二日目昼と行ってきましたので、
第一報として気づいたことを幾つか述べたいと思います。

マスコミの露出が足りなかったのか、予想以上に客がいません。
週末の夜、土曜の昼というのに、
ビルのパーキングは空車状態でした。
バーニーズが銀座で
そんなに受け入れられるかの問題もありますが、
レストランフロアである4階、5階も厳しいものがあるようです。

店の玄関口には祝いの胡蝶蘭で一杯なのですが、
フロアを歩いている客より
その鉢数の方が多いのではないかと思われるほど
人通りがありません。
店前ではスタッフがパンフレットを配っています。
メニューを見ようと近づくと、「いらっしゃいませ」と
店内へ誘導しようという素振り。
初日の週末といえども、予約で満席になっていないのです。
普通オープン当初は、ご祝儀に駆けつける常連で一杯、
特に初日はコアな常連客が占有するとおもうのですが、この状況。
満席で入れなければ、なんとしても入店してみたい気持ちになり
人気を呼ぶわけですから、営業努力として
せめてオープン数日は、
無理にでも満席にしなければならないはずです。
交詢ビルの営業サイドは、見通しを誤ったようです。

そして各店の値付けの高さに驚きです。
観光客用なのでしょいうか、
コース制を主体にしているところが多く、
夜は1万円前後から、昼でも5千円前後からとなっております。

韓国家庭料理の「南漢亭」でも7500円からのディナー。
とんかつの「かつぜん」は12500円からです。

銀座のランチは激戦のはず。
4~5千円ではビジネス客は入れないでしょう。

注目の「六覺燈」はメニューがありません。
知人が確認したところ、昼夜同じで、
途中で止める事も出来ますが
一通りコースを食べ終わると10500円になるとか。
大阪の店は7千円超のはずですから、
この高い地代で約4割値上げしたことになります。

そして四川料理の「趙楊」。
単品は昼だけで、夜はコースだけになるとか。
しかも、9千円、1万2千円、1万8千円、
2万5千円、3万2千円と福臨門並の値付けに驚きです。
街場のラーメン屋に近い店構えで、
コースでも5~7千円くらいで出していた店ですから、
この店主の勘違いは桁外れです。
しかも特別料理として3週間前から予約のコースは、
8名以上が条件で、一人30万円。
食べたことのない希少な食材を使っているようですが、
一人30万ですよ。240万円以上の宴席になってしまいます。
新橋の前はたしか郊外にあったと聞いています。
新橋に来てCPが落ちたとの評判もありますが、
交詢ビルに入ってしまって、大変な店になってしまいました。

その他、「オストラル」も
かなり立派なウエーティングを備えるフレンチに変身しています。
14700円、18900円と
グランメゾン級のコース制も導入してきました。

オープン当初でこの客入りですから、
各店勝算があってこれほど強気の値付けにしてきたのでしょうか。
「パ マル」、「みかわ」、「厲家菜」などの
1年後の実態調査をしているとはとても思えません。