第438回 あの店は今・・・ イル ムリーノ

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  • 2004年10月8日(金)
先日あの「イル ムリーノ ニューヨーク」(六本木ヒルズ)へ
再訪する機会がありました。
だだし、今回は自腹ではなくご同伴者のご招待。
非常にありがたいことでして、気楽に食事が出来たのですが、
ちょっとますます変な方向へ行ってしまっているように感じました。

今更、店内が暗いとか、メニューが読みにくい、
隣テーブルとの距離が近すぎる、ハッピバースデイ儀式がウザい、
なんて文句はいいません。
ただ、料理がより魅力を失っているように感じたのです。

メニューが少し変わったような気もします。
そして前菜、パスタと種類も減ったのではないでしょうか。
特にパスタは、カルボナーラとかアリオ・オーリオとか、
ボンゴレ・ビアンコとかわかりやすい一般的なものが主体でした。
シンプルなるゆえに、
技量に大きく左右される「アリオ・オーリオ」などを
この店で頼む気はしません。
時期に入ったと思ったのですが、フレッシュなポルチーニもなく、
頼みたい、魅力的なパスタが
なかなか見つけられないようになっておりました。

メインの肉を含めて、良く言えばアメリカ的で「わかりやすいお味」。
メリハリだけつけた濃い調理でして、
これぞ本格アメリカンテイストのイタリアン
といったところでしょうか。
肉の食材の種類も少ないのも今の日本の趨勢に合っていません。

都内は乱立したイタリアンで溢れかえっております。
イタリアンに対して舌が肥えた客が増えている今、
このお味の料理をはたして評価する人が多いのかどうか。
ボリュームはありますが、一皿の単価は高く、
経営元のWDIがばら撒いている
「1万円ディスカウント券」を使用しても
かなりの客単価となります。
NYで流行っているからといって、
何でもコピーして輸入すればいいほど、
今の日本人は単純ではないということです。