第421回 隠れ家的なわりにまとも、鮨処 小笹 1

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  • 2004年9月21日(火)
初訪問の客は店がどこにあるか迷うでしょうし、
たとえ見つけたとしてもあの入り口では入りづらいでしょう。
業界人が喜ぶ、いわゆる隠れ家的な鮨屋です。
この奥に本当に鮨屋があるのだろうか、
私も初回は突入を躊躇しました。
旧山手通り脇の、民家の駐車場を跨いだ先に
目立たない入り口があります。
傍から見ると不法侵入と間違えられる可能性があるのです。

店内は10席ほどのカウンターに簡単な個室が一つ。
入り口付近の怪しさとはうって変わって、
店内は清潔で明るい。
ショーケースはなく、
ネタ箱式というのも最近の鮨屋のお約束です。

主人は世田谷の老舗、「小笹寿し」の出身と聞いています。
これは確認したものではなく噂なのですが、
修業期間が短かったので「寿し」の文字を継げなかった
といった話が巷間伝えられています。
そういえば、銀座も西麻布もフルネームの「小笹寿し」ですね。

客層は常連主体でしょうか。
リピート率が非常に高いようで、
マニアックにも小田原から
わざわざこの店に食べに来るためだけに
上京してきている常連客に遭遇したこともありました。
「ナリサワ」の前身、
「ラ ナプール」の常連でもあるそうです。
当地の鮨屋には東京にないネタもあるのではないでしょうか。
わざわざ新幹線を使い、一泊するほどのものなのか、
私には他人の価値観がはかりしれません。