第394回 友里征耶のタブーに挑戦 その9蕎麦職人への道

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  • 2004年8月25日(水)
フレンチ、イタリアン、京料理に限らず
蕎麦屋の新店も目立つ今日この頃です。
十年以上も前、
まだ新橋に一軒しかなかった「本陣房」という蕎麦屋は、
行列のできる料理店のはしりだったかもしれません。
特に、桜の季節には、「桜きり」を含めた3色蕎麦が人気で
私も並んだ経験があります。
ところがどうでしょうか。
私が確認できるだけで、この「本陣房」系列の店は
新橋界隈だけで5店に増殖しております。
面白にことに点在しているわけではなく、
一つの路地に面して10メーター以内に
3店も同じ店が(店名は違う)出来たときには驚きました。
客の食い合いを普通は心配するものですが、
新橋の勤め人には蕎麦好きが多いのでしょうか。

蕎麦を打つところを見せるパフォーマンスをする店があるのですが、
その職人がかなり若いということに私は注目しました。
とても長い間修行を積んだとは思えない職人たち。
たしか脱サラの人達用に設立された「蕎麦大学」なる訓練所も、
その受講期間は1年未満だったと記憶しています。

つまり、何年、何十年も修行しなくても、
脱サラとして割と簡単に独立できる商売ということでしょうか。

日本一蕎麦職人の店のように伝えられている
「竹やぶ」の出身の店(恵比寿)の職人も若く見えましたし、
最近マスコミに露出している修善寺の有名店?で修行した
「流石」の主人も、修行は数年だったと記憶しています。

つまり、「蕎麦大学」と同じとは言えないでしょうが、
独立して蕎麦屋を営むための修行は
そんなに期間を必要としないということでしょう。
そば以外の料理も豆腐や玉子焼き、せいぜい焼き鳥で
そのパターンは決まっております。
創造性(創作ではない)を必要としない業界という点では、
鮨と似ています。
30前後の鮨職人が持て囃される時代ですから、
蕎麦業界でもわかい職人、修業歴の短い職人の店がでてきても、
当たり前のことかもしれません。